【対談 その1 】公務員を辞めてアレクサンダーテクニーク講師へ 川浪裕史×金子将昭

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今回の対談はアレクサンダーテクニーク講師の川浪裕史さん。アレクサンダーテクニークという言葉を音楽家なら耳にしたことはあると思います。アレクサンダーテクニークとはどんなものなのか?また川浪さんとはどんな人なのか?アレクサンダーテクニーク講師になる前はなんと公務員だった川浪さん。どうやって講師になったのか聞いてみました。

(記事構成/原田和真[脚本家])

 

 ◎アレクサンダーテクニークを始めた経緯~ゴールデン切符を捨てて!?~

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金子 アレクサンダーテクニークをどんな感じで習い始めたんですか?出会いというか

川浪 元々、アレクサンダーテクニークがあるというのは”ドラマー”の中では結構有名なんですよ。

金子 あ、そうなんですか?

川浪 ドラムって結構フィジカルじゃないですか。

金子 そうですね、他の楽器に比べたら確かに。

川浪 全身使うし。で、身体の使い方とかに興味ある人が多くて、アレクサンダーがいいって話を聞いたんですね。

金子 ふ~ん

川浪 で、それを受けに行ったんですよ。そしたら凄い良かったんですよ。

金子 それは先生に聞きに行ったんですか?もう教えてる…

川浪 そうです、習いに行ったんです。

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金子 日本で習えるんですか?

川浪 日本です。日本人で教えてる人もいて。んで僕当時神戸に住んでたんですけど、神戸に教えてる人がいたので行ったんですね。でもその時はドラムとかは一切しなかったですよ。

金子 へぇ~。

川浪 「ちょっと首を動かしてみましょ~」みたいな話がありまして、こう、首を回してみるんですね。「どんな感じですか?」「いやなんか肩が痛いです。」

金子 はい。

川浪 僕凄い肩こりだったんで。その時の先生がなんか指示をして、押さえて「こうして下さい」みたいなで動かしたら、首がス~って油差したみたいに回って。

金子 はい。

川浪 見たことない景色が見えたんですよ。

金子 ハハハ(笑)

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川浪 こんな後ろ見えんの?みたいな。んで凄いな~と思いながらしばらく習ってて。

金子 はい。

川浪 ある時「これドラムに活きるんですか?」って聞いたら「ちょっとドラムやってみてください」っていう話で

金子 ほぉ。

川浪 当時練習してた手足のこういう(コンビネーションでの)リズムがちょっと苦手だったんですね?

金子 ほうほう。

川浪 やってみて「どうですか?」「いまいちです」みたいな感じやったんですけど、また指示をもらうとなんかこれもスッと動くんですね?

金子 ほう!

川浪 なんかエラい動くようになって。これは凄いなちょっと。凄い可能性があるぞと思って。

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金子 なるほど!

川浪 その時にそう思ったんですね。で、しばらくして。あ、僕公務員やってたんですけど

金子 公務員?あ、そうなんですか!?

川浪 そうですよ(笑)

金子 何されてたんですか?

川浪 市役所で

金子 終身雇用じゃないですか!

川浪 なんか向いてないな~と思って

金子 うわ~ゴールデン切符を…

川浪 で、辞めようと思ってたんですよ。でも転職しても一緒やな~と思って。

金子 はぁ。

川浪 結局組織に入るのが向いてへんなってのが分かってたんで、独立しようかな~と思ってた時に。

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金子 はい。

川浪 何しようかな~と思ってたら「あ、アレクサンダーのレッスンってやってる人少ないし、凄い役に立つからこれを教える人になったらええんちゃうか」と思って、本格的にレッスン受けて先生になるような勉強始めたっていう

金子 あれなんか、資格いるんですもんね?

川浪 そうですそうです。

金子 あれって資格日本で取れるんですか?

川浪 日本で学校がいくつかあるんで

金子 あ、あるんすか~へぇ~。

川浪 う~ん。

金子 それってどれくらいで取れるんですか?

川浪 3年から4年ぐらいかけて、勉強して。で、独立したっていう感じですね。

金子 どういうの勉強するんですか?

川浪 まぁ実技ですね。まず自分自身が上手く使えるようにならないといけないんで。

金子 あ~今なんかドキっとしましたね。

川浪 なんで?笑

金子 自分自身全然使えてないわと思って。(笑)

川浪 教える側なんでやっぱりある程度できてないと…。自分自身のレッスンしてきながら、3年目からなんですけど、それを教える練習を始めるみたいな。

金子 へぇ~、そうなんですね~。

川浪 う~ん。

金子 そこからすぐ独立されてみたいな感じになってくんですよね?

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川浪 そうですね。

金子 今まで教えた人って、やっぱ音楽関係が多いですか?

川浪 音楽…がメインですね。アレクサンダー自体は音楽とは直接関係ないんですけどね。

金子 関係ないですよね。

川浪 そうなんですよ。

金子 つうかむしろ、なんか、全人類に…

川浪 そうそうそう!まさに、まさにそう。

金子 極端に言うと全人類に共通するって話で、でもみんな当たり前過ぎて分かんないから”音楽”ってのくっつけて「それに効くよ~」って言った方が分かりやすいって感じですよね?

川浪 ん~まぁまぁ…。

金子 全人類ですよね?

川浪 まぁ身体の使い方なんで、およそ身体を使う活動であったら全てに役には立ちますね。

金子 ですね。

川浪 まぁ僕自身が音楽ずっとやってるし、音楽好きだしっていうのがあって基本的には音楽家向けに。

 

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1.2.3.

 


kanekomasaaki

金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

 

川浪裕史 Yuji Kawanami

http://www.ys-lesson.com/

大阪出身。アレクサンダーテクニーク講師。
2011年よりレッスンを開始。音楽家のための無理のないからだの使い方を指導し、プロからアマまで、200人以上がレッスンを受講。個人レッスンのほか、音楽スクールや、ライブハウス、吹奏楽団等でもセミナーを開催し、好評を博している。
 
haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
tomoroku
カメラマン:TOMOROCK
1982年埼玉県生。フォトグラファー。思春期にカメラと出会い、色々なものを撮る楽しさを知るも、学生時代にバスケットボールやバンド活動に自己表現のフィールドにシフトする。自己表現のフィールドをカメラに戻し、現在では、アーティスト写真や宣材写真の撮影を主に行なっている。
HP:http://www.tomorock-photo.net/
 
<撮影協力>
ドラマーの為のドラム練習スタジオビーツパラダイス
住所:東京都千代田区九段南3-2-5 ハトヤビルB1
Tell:03-3230-0777

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