【対談 その4】「”CDを売る”ではなくアプリで横展開を目指す、これからのバンド活動の仕方」YD(GUTS AND DEATH) × 金子将昭

プレミアムチケット、ユーチューバー、アプリを使ったファンとのコミニュケーションなど様々なアイディアでバンドを運営するGUTS AND DEATHのドラマーのYDさん。バンドでアプリを配信してそこにファンを絡めることを考えているという。ホームページのようなものをアプリで配信しており月額課金で音楽も聴ける。アプリを使ったバンド活動とはどういったものなんでしょうか(記事構成/原田和真)

 

【前回はこちら】対談 その3「ライブに5万円のプレミアチケット導入。ライブ体験をより特別なものに。」

 

「バンドでアプリ配信」

金子 バンドのアプリを作られてますよね。一番気になってたんですよ。まだあんまりいないですよね、バンドのアプリを作るって。あれって、なぜやられたんですか?

YD それもYouTubeと結構結びついてるんですけど、前のバンドでCDをずっと売ってた頃、ファンの人は握手会の為にいっぱいCD買ってくれるんですよね。

金子 ああAKBと同じ状態みたいな。

YD そうですね。僕らは全国のCD屋回ってイベントやって、同じ子達が全員ぞろぞろっとこう……。

金子 あ、北海道でやっても九州でやっても。

YD はい。で、ファンの子が大量のCDの山を写真で見せ合ったりしてるわけですよ。同じCDを。それでファンの子に『それいらないなら頂戴』って言ってこっちがもらったんです。

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金子 ハッハッハ、本当ですかそれ?(笑)

YD 本当です。

金子 本当ですか!

YD サンプルあんまりもらえないので、「はい」って10枚もらったらこっちは配れるわけじゃないですか。

金子 ものすごいエコですね。

YD でももうわけ分かんないじゃないですか。

金子 そうですね(笑)。というかCDっていうフィジカルな物じゃなくていいですよね。そうなってくると。

YD 「そもそも曲聴いてないじゃん」とか、そういうのはどうでもいいんですよ。そういう事ではなくて、本当にそうしないと活動できないのが自分たちがいるヴィジュアル系メジャーシーンなので。活動できる最低条件は複数売りをするっていう業界。

金子 一人の人が何枚も買って支えるっていうのが。

YD それもあって、本当に「CD出すのって無駄だな」っていうのが体感してる事があって。それで海外とかのSpotifyとか定額配信の色んなサービスがでてきてて。

アップルミュージックとかLINE MUSICとかまだない時で、その流れで、音楽を自分達のアプリだけで完結させて月額払ってもらえば良いなって思ったんです。うちのバンドのアプリの月額は600円なんです。

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金子 はい。

YD 一年だと、7200円。で、それってアルバム二枚とシングル二枚ぐらい買ったらちょうど7千いくらじゃないですか。金額的に音楽をちゃんと届けるって考えた時に、これってちょうどいい額だなっていう。

金子 は~なるほど。

YD どうせ別に、CDプレイヤー持ってないでしょうし。

金子 そうですね。僕も持ってないですね。

YD 僕も持ってないですね。

金子 僕テレビもないんで。炊飯器もないですけど。

YD そ、そうなんですね(笑)。そういったアプリを「やりたいな」ってのはあって。で、YouTubeとすごい相性がいいだろうなっていうのもあって。

金子 う~ん。

YD そんなタイミングでアプリを作れる人と出会いまして、その人と会社を作りました。

金子 僕も実はダウンロードしてて。。。

YD おお~。

金子 これと同じフォーマットで作ってる別のアーティストさんのアプリも見つけて、他のアーティストさんのサポートとかそういう展開もしてくのかな~って思いながら使わせてもらってるんですけど。

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YD はい。はい。

金子 要はもうCDを売らないモデルにしちゃうっていう事ですね。「僕らの曲はアプリで配信するからそれで聴いてね」みたいな。

YD そうですね。

金子 今のところはアプリはイベント情報や音楽配信の機能だけ担ってるって感じですか?他には何かできる事は……?

YD いや、やりたい事はいっぱいあって。水面下で進めてはいるんですけど。

金子 秘密……ですか?

YD 秘密ってわけじゃなくて、追いついてないだけ(笑)

金子 アハハ(笑)言っても大丈夫な事だったらぜひお聞きしたいんですけど。

YD いやもっと、なんていうかアプリを『使いたい!』って思う……。

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金子 UX(ユーザーエクスペリエンス)にしたいみたいな?

YD そうですね。

金子 なるほど。

YD とか、まぁ……ゲームっぽさとか。ただの音楽プレイヤーっていう枠は超えたいなってのはあります。

金子 例えば、分かんないですけど最後まで曲を聴いたらポイントが溜まって、ライブハウスに行ったらグッズと交換してくれるだとか握手してくれるだとかそういうゲーミフィケーション的なのを入れてとか。

YD そうそう。はい。

金子 溜まったポイントで自分のアバターがどんどん変化していってみたいな。

YD そうです!まさに!

金子 そのアバターでアプリ内でファン同士がちょっとコミュニケーションできるような形があったりして、そこにメンバーもいてみたいな。そしたら面白いですよね。

【その5】「自分のバンドだけではなく他のアーティストにもアプリを提供」

 


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YD GUTS AND DEATH ドラマー

慶應義塾大学文学部卒。2010年に ロックバンド THE KIDDIEでメジャーデビュー。2015年3月31日にZepp Tokyo で解散した後、同バンドのメンバー3人でバンド形態のYouTuber音楽ユニットGUTS AND DEATHを同年5月に結成。自身のアーティスト活動と平行しながら、様々なアーティストへの楽曲提供、サポートドラマーとしても活躍。

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金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
tantan
カメラマン:たんたん
映像カメラマン・写真・イベント・トリッププランナー・劇団あーてぃすとら、興味のあることにはなんでも挑戦する映像カメラマン。

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