【対談 その3】「ライブに5万円のプレミアチケット導入。ライブ体験をより特別なものに。」YD(GUTS AND DEATH) × 金子将昭

プレミアムチケット、ユーチューバー、アプリを使ったファンとのコミニュケーションなど様々なアイディアでバンドを運営するGUTS AND DEATHのドラマーのYDさん。ライブでプレミアムチケットを作りファンの満足度をさらに高める方法を取り入れている。ライブ収入が減っている中でも可能性のあるプレミアムチケット。どんな分け方をしてるか聞いてみました。(記事構成/原田和真)

 

【前回はこちら】対談 その2「バンドだからって音楽だけを売らなくても良い」

 

「プレミアムなチケット」

金子 ライブの話を聞きたいんですけど、ライブって一つのファンとのコミュニケーションの場だと思うんです。それで今チケット料金を分けてライブをされますよね。これっていつ頃からやり出したんですか?

YD この活動始めた時。

金子 それはなにか戦略というか考えとかあったんですか?

YD そうですね。考えは……何パターンかあるんですけど。良いチケット(整理番号)を手に入れる為にファンの子は結構5万、10万とか平気で出しますよね。

金子 出しますね。

YD フェアな話じゃないですけど、いつもライブに来てくれる子はネットオークションで高額なチケットを売買しあってたりするんですよ。転売で儲けている人もいるわけで。

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金子 はい。

YD そういう流れを見てだったらこっちで最初っから「優先入場できます」「◯◯できます」っていう特典与えて同じ額使ってもらえばいいかな~っていうのがあります。

金子 なるほど。プレミアムなチケットと普通のチケットとの差別化はどういう内容でやってるんですか?

YD ライブ後にその会場で中打ちみたいのを一緒にやるみたいな感じで。

金子 じゃあ普通にみんなで一緒にカンパーイ的な事を。

YD お酒飲み放題にしてあげてます。

金子 アハハハすごい、太っ腹な感じですね(笑)

YD そうですね。5万とか取ってるんで(笑)

金子 なるほど、それぐらいは(笑)

YD はい。

金子 それって限定あると思うんですけど、どれくらい売ってるんですか?

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YD 5万円で販売した時は10人〜15人まで。

金子 そのへんも試行錯誤しながら、これからまた変化させてくって感じですかね。

YD そうですね。あとは売り切れちゃうグッズをまとめてセットで付けたりとか。

金子 座席的なものとかはどうなんですかね?

YD まぁライブハウスなんで立ち見がほとんどなので、優先入場をさせてますね。

金子 5万円のプレミアムがあって、あとは全部普通チケットの2種類になってるんですか?

YD いや、それは本当に毎回違うんですよ。5万、3万、1万とかで4段階とか最初やったりしたんですけど。

金子 直近だとどうですか?

YD そのライブがメンバー二人の誕生日ライブだったんですけど、プレミアムチケットの数を増やして、ちょっと安くして3万円を25人にしました。内容は巨大ケーキを囲んで一緒に誕生日を祝うっていう特別な空間でした。

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金子 でもそのチケット体系を続けられてるってことは成功してるって事です。

YD そうですね。はい。

金子 やっぱりお客さんの満足度は高いって感じですね。

YD そうですね。ありがたいことに来てくれる人は同じ人が多いんです。

金子 ファンはリピーターですもんね。

YD はい。

金子 ちなみに一般のチケットもあるんですよね。

YD ありますね。3500円です。

金子 普通チケット入場は最後になってステージ近くで見れないんでしょうけど、物販ではコミュニケーションをとれますしね。

YD あ、物販は自分達では売ってないです。

金子 あ、そうなんですか。スタッフさんがやってるって感じですか。

YD はい。

金子 あ、なるほどね。じゃあやっぱり触れ合いたかったらプレミアムなチケット買うしかないんですね。

YD はい。

金子 値段の設定は5万がベストということですかね。

YD う~ん……そこから上げるとかはもちろんないですけど……飽きさせないようにできる限り努力はしたいなっていう。

金子 そこですよね。でもやっぱ触れ合うってのはファンの人にとっては究極だと思うんですけど、それ超える提供ってちょっと難しくなってきませんか?飲み会に参加できちゃうってもう最高じゃないですか。

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YD はい、そうですね。

金子 そこ超えるとなると結構大変かなって思って、どんな感じのがあるんだろうってやっぱちょっと思っちゃうんですよね。

YD う~んなんですかね……。元々バンドの時「ファンクラブ旅行」とかあったりして。

金子 あ、そうなんですか!?

YD 年2回とか、はい。

金子 旅行ってどういうことやるんですか?

YD バス3、4台出して温泉みたいなところで運動会やったり宴会やったり。

金子 それってちなみにどのくらいの価格でやられてるんですか?

YD 価格?いや~10万ぐらいはいってたかな~。

金子 なるほど。そういう前例はあったんで、可能性があるんじゃないかって。

YD はい、裏ワザですね。

金子 裏ワザ(笑)すごいですね(笑)

YD まぁ新しくゼロからファンがいないバンドでそういう事をやってもうまくいくわけはないですけど。

【その4】「”CDを売る”ではなくアプリで横展開を目指す、これからのバンド活動の仕方」

 


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YD GUTS AND DEATH ドラマー

慶應義塾大学文学部卒。2010年に ロックバンド THE KIDDIEでメジャーデビュー。2015年3月31日にZepp Tokyo で解散した後、同バンドのメンバー3人でバンド形態のYouTuber音楽ユニットGUTS AND DEATHを同年5月に結成。自身のアーティスト活動と平行しながら、様々なアーティストへの楽曲提供、サポートドラマーとしても活躍。

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金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
tantan
カメラマン:たんたん
映像カメラマン・写真・イベント・トリッププランナー・劇団あーてぃすとら、興味のあることにはなんでも挑戦する映像カメラマン。

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