【対談 その5】「自分のバンドだけではなく他のアーティストにもアプリを提供」YD(GUTS AND DEATH) × 金子将昭

プレミアムチケット、ユーチューバー、アプリを使ったファンとのコミニュケーションなど様々なアイディアでバンドを運営するGUTS AND DEATHのドラマーのYDさん。今後はアプリで横展開を考えているとのこと。アーティストがホームページを持つように簡単にアプリで収益化できる仕組みを作りたいと、それはバンド活動とは別に行う、これからはバンドマンもアイディアを形にすることがスキルになっていくのかもしれません。(記事構成/原田和真)

 

【前回はこちら】対談 その4「”CDを売る”ではなくアプリで横展開を目指す、これからのバンド活動の仕方」

 

「今後はバーチャルリアリティ?」

金子 今のところはアプリとYouTubeとライブっていう3つを中心に活動してて、リアルの活動とデジタルの活動をうまく融合させながらファンとのコミュニケーション体系をつくっていくって感じなんですね。

YD はい。

金子 なんか今後、こういう風にやってくっていうのはありますか?「すごいの思いついちゃったぜ」みたいなのって。

YD もっとライブで、アプリと連動させたいですね。例えばライブ会場で、みんなが振ると照明と連動するとか。映像となんか連動するとか、実際にライブ会場に来た人だけが位置情報とかで曲をダウンロードできるとか。

金子 あ~なるほど!

YD ライブとアプリをより密接にしたいなっていうのはありますね。

金子 へぇ~なるほど。なんか新しい媒体を使うとかは考えてたりするんですか?例えばVR(バーチャルリアリティ)とかホログラムを作ってみるとか。

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YD う~ん……。

金子 僕結構そういう新しいエンタメ体系作るのに興味があって、劇団作ってシンクロイドっていう3D映像を取り入れて演奏とかしてるんですけど。

YD おお~。

金子 VRのコンテンツでバンドってまだないと思うんで、そういうのもなんか考えてはいるんですけどね~。360°再生できるやつとか。

YD それはめちゃめちゃやりたいと思ってます。

金子 実際見せてもらったんですけど、実際みんながライブでワァーってやってる中で、そこにいる感じになるやつがあったんで、結構ビックリしました。だけど全部CGで作ってるやつが一番テンション上がりましたね、動けるんで!

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YD ええ~。

金子 生の映像よりCGの方が臨場感あるっていうのが不思議な感じしましたね(笑)

YD うん。

金子 なんか最近一番大事だと思ってるのは、”握手”って超スゴいんですよね。

YD ……?教えてください!

金子 VRでモンスターと戦うゲームがあって、すごく興奮したんですけど、ただ一個だけ残念だった事があって。”触覚”なんですよ。

YD う~ん。

金子 触覚の技術ってまだ追いついてないんですよ。これからVRとかが広がってきて、そういう世界で「別に本物でも偽物でもいいよね」って世界になってくると思うんです。

YD ふう~ん。

金子 自分が大好きなアーティストさんが、そこで歌ってる人が、3DCGなのか生身の人間なのかってのがそこまで重要じゃなくなってくると思うんですよ。なんでかっていうと脳が判断できないから。

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YD ふんふん。

金子 本物かどうかって精巧になってくればなってくる程分からなくなるんですよね。だからそれはどっちでもいいと思うんですよ。要はその人がその体験をどう思うかなんで。

YD なるほど。

金子 でも、ここになってくると圧倒的に”触覚”、その人に触れられるかどうかの体験ってめちゃめちゃ貴重になってくるんですよね。

YD なるほど!

金子 デジタルデータだったら触れられないんですよ。それを再現する技術は進んでますけど。握手できるのってこれ物凄い体験で。僕正直、「握手できる権利」っていうのは、デジタルが進めば進む程、10万円とかのレベルで売れるのかなとか考えてるんですよ。それくらいすごい体験をあれは売っているんだな~って思って。

YD う~ん。

金子 今CD買ったら握手できますよね。あれは今だからCDにくっつけてますけど、そのうちメインは触れることになると思います。

YD すごーい!

金子 僕はそう思いますね。だってすごいですよ、触れられるって。触れることによる安心感とか、身体が感じる変化って凄いですから。さらに言うならばコミュニケーションするって事も物凄く価値になっていくんじゃないかなって。

YD はいはいはい。

金子 人と会うって事も凄く価値になるんだろうな~って思ってますね。

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YD そうですね。すげぇ~……。

金子 もちろん世の中がどういう風に進むかは分かんないですけどね。

YD うんうん。

金子 すいません、急にそれてしまって。そろそろ最後なんですが何かあれば。

YD そうですね~。アプリに関してなんですけど、本当に”横展開”っていうのを考えていて、バンド活動とは別で普及させていきたいなってのはすごいあって。

金子 対象としては音楽やYouTubeで興味持ってくれた人で、そこをアプリに集約してって横展開を広げていって課金って流れですかね?

YD まぁ誰でもアーティストがみんなブログみたいな感じでちゃんとアプリを持ってて、そこをなんというか有料WEBサイトに繋げてみたいな状況にしたくて。

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金子 そこ僕も考えてますね実際。

YD でも実際作るとなると一千万とかしちゃうんで、それが手軽にアプリを作れるようにっていうのを目指してます。

金子 要は「ホームページを持つように、アプリを持とうね」って事ですよね?

YD そうです。

金子 それね、全く同じ事考えてましたね。(笑)

YD おお(笑)

金子 僕が作ったアプリはちょっと違いましたけどね。これって何人かエンジニアさんいらっしゃるんですか?

YD いえ、基本的には一人です。

金子 あ、すごいですねそれ!じゃあ何かあったらぜひ(笑)

YD ぜひぜひ。

金子 今日はありがとうございました。

YD ありがとうございます。

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YD GUTS AND DEATH ドラマー

慶應義塾大学文学部卒。2010年に ロックバンド THE KIDDIEでメジャーデビュー。2015年3月31日にZepp Tokyo で解散した後、同バンドのメンバー3人でバンド形態のYouTuber音楽ユニットGUTS AND DEATHを同年5月に結成。自身のアーティスト活動と平行しながら、様々なアーティストへの楽曲提供、サポートドラマーとしても活躍。

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金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
tantan
カメラマン:たんたん
映像カメラマン・写真・イベント・トリッププランナー・劇団あーてぃすとら、興味のあることにはなんでも挑戦する映像カメラマン。

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