【対談 その6】「音楽に必要なのは ”月額課金制” と “ファンクラブ運営” 」海保けんたろー × 金子将昭

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今から一年以上前の2015/1/9の海保けんたろーさんと対談。なぜ一年も遅れて公開なのかはさておき、このときに考えていたのは月額課金制とファンクラブ運営。2015年の話のなかに2016年の音楽のヒントが隠されている??(記事構成/原田和真)

 

「ミュージシャン人口を増やそうプロジェクト進行中・・・?」

金子 アーティストの(ビジネス)モデルを作り上げるっていう感じでいくと、具体的にはどういう感じに……?結構ライブとかだけじゃなくて、なんかグッズ販売とかそういうのも入ってくるんですかね。

海保 そうですね、僕はファンクラブっていう形がかなり軸になるんじゃないかと考えていて。まぁファンクラブって言い方だとあれなんですけど。

金子 まぁ固定ファンを含めて一種のコミュニティを形成してそこの人たちに対して何かしらのサービスを提供していくっていう……?

海保 そうですね。で、なんかサービス提供していくと同時に、まぁ支えてもらうニュアンスもありつつ。

金子 あ~あ~あ、なるほど。

海保 僕は月額課金ってのが一個鍵だと思ってるんですけど。ファンクラブというよりは僕らフリクルだと『プレミアムサポーター』みたいな言い方してるんですけど。要はクラウドファンディングの月額版みたいな感じで。

金子 あ~はいはい。

海保 こういう音楽活動をしていきたくて、こういう曲を今後もコンスタントに出していきたい、……から月500円くれみたいな。

金子 なるほど~。

海保 もちろんそこにある程度の特典はあるんですけど。じゃあその特典が毎月毎月500円分に見合ってるかどうかっていうよりは、半分は頑張ってみたいな気持ちで

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金子 好きだから出すみたいな。

海保 そうそう。っていうので周りの人達に支えてもらいつつ動くみたいな。っていうのがインディーズの規模のミュージシャンの食って行き方、稼ぎ方として結構現実的かなと僕は思っていて。

金子 なるほど。

海保 実際そんな感じでフリクルってお金が動いてはいるんですけど。で、そうすると、凄い人気とか『あいつこないだテレビ出てたぞ』じゃなくても……。

金子 はい。

海保 例えば月額1000円のサポータークラブみたいなやつに入ってくれる奴が身の回りに30人います、みたいな。まぁ30人しか入んないと世の中的には全く無名じゃないですか。

金子 はいはい。

海保 でもそいつには月3万入ってくるじゃないですかとりあえず。例えば一人で弾き語りでやってて月3万ってその規模にしてみれば結構デカいじゃないですか。

金子 デカいですデカいです。

海保 しかも固定で。ライブやったからとかじゃなくてある意味なんもしなくても入ってくる。

金子 そうですね(笑)

海保 そういう事例を作っていく事によって、周りに広がると思うんですよ。『なんか一個上のあの先輩フリクルで月5万ぐらい稼いでるらしいよ』みたいのになると。

金子 ハハハ(笑)

海保 『え、あいつが?』みたいな。『俺ら絶対10万とかイケるでしょそしたらみたいな。

金子 なります(笑)

海保 なるじゃないですか絶対(笑)

金子 なりますなります!(笑)

海保 それを作る事によって僕はミュージシャンの裾野が広がるんじゃなかと思ってるんですよ。

金子 あ~なるほどねぇ~。

海保 今って『音楽業界ヤバい』みたいなやつが、音楽業界関係ない人もみんな知ってるじゃないですか。

金子 そうですね。

海保 ”ミュージシャン食えない”みたいのがもう常識みたいになってる。そうすると例えば高校生とかでバンドにハマったりギターにハマったりとかしても、ちょっと賢ければ絶対音楽業界目指さないと思うんですよ(笑)

金子 そうそうそう!絶対そうですね!(笑)

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海保 本当にだから『ミュージシャンで食うってのは普通無理でしょ』今の若い奴らは僕ら世代以上に思ってると思うんで、最初っから『その道はないでしょ』みたいに多くはなっちゃって。

金子 うんうん。

海保 それってどんどん文化的にレベル下がっていっちゃうじゃないですか。要はプロ目指そうっていうミュージシャンが出てこないっていうのは。それがすごいヤバいなって思ってるんですけど。

金子 はい。

海保 そこを解決できる可能性として、今言ったみたいに『あいつでも結構イケてるなら俺らならプロ、ってか食えんじゃね!?』みたいな。

金子 ハハハ(笑)

海保 『10万とか稼げるっしょ』みたいな感じの空気を作ってくみたいな。事例として知ってれば『俺もなってみようかな』ってありえるじゃないですか。

金子 少なくとも『始めてみようか』とは思いますよね。

海保 大学で普通に勉強しようかと思ってたけど音楽専門学校行ってプロ目指してみようかなみたいな奴も比率増えるじゃないですか。

金子 はいはいはい。

海保 食えそうな雰囲気があれば。そういう形でミュージシャン人口がまた増え出すみたいな事ができたらいいな、みたいな事は考えてます。

金子 なるほどね~。なんか一個事例があると、確かにやりたくなりますね!

 

「本当はそう思ってる???」

金子 アーティストの働き方に戻るんですけど、『バンドをやってます。でもプロデュースをしてはいけません』とかって僕違うなって思てて。

海保 はいはい。

金子 最終的に(ファンが)音楽に付くか、人に付くかって分かんないところで、触れ合えば触れ合う程、人の要素ってデカくなってくると思うんですよね。だから囲えば囲う程、その人に付いてくるなって思ってて。

海保 う~んうんうん。

金子 そうなってくると、その人のやってる事がなんでもアリというか、その人がやりたい事ならアリだと思ってて。

海保 はい。

金子 だからもし、バンドやっててミュージシャンでもプロデュースしたくなったら、自分が『こういうのがあった方がいい』ってのがあったらやるとか、実際やってみるだとか。あるいはメディアを作ってってなら作ってみるっていうのも、僕は広く捉えてそういう活動もアーティストの動きとしてアリじゃないかなって。

海保 全然アリだと思います。

金子 僕は捉えちゃってる人なんですよね。

海保 まぁ僕はもう一点集約ですけど、結局その人自身が本当は何がしたいのかっていうとこだと思うんですよね。

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金子 う~ん。

海保 それで『演奏以外はやりたくない』ってことだったらプロデュースやる必要はないし。逆にそういう願望も持っているってことだったらぜひやるべきだし、っていう。

金子 あ~なるほどなるほど。目的が何かってとこですよね。

海保 自分自身が『俺の願望はこれなんだ』ってのを理解してない事が多い事が問題ですよね。

金子 そこなんですよね。僕が今なんでこんな事言ったかっていうと、みんな『本当はやりたい』みたいなニュアンスがふわって感じられる気がするんですよ。

海保 なるほどなるほど。

金子 多分プロデュースとかもやってみたい、とかは思ってるんですよできるんだったら。 

海保 はいはいはい。

金子 僕もジャズアイドル(JIPP)もツイッターの募集だけで全部来たんで、1,2週間で集まってライブもできましたし。

海保 すごい。

金子 だからやってみたいと思ったら、昔は大きなレーベルしかできなかったけど、やろうと思ったら、どんなミニマムな形からでもできるわけですよ。 

海保 ですね。

金子 だからそういう人達も本当はやりたいんだけれども『できない』って思い込んでんじゃないかな~みたいな。

海保 僕はそういう人達は本当はそこまでやりたくないんじゃないかなと(笑)

金子 あ、なるほどね!(笑)

海保 ハハハ(笑)

金子 行動を起こさないって事は、そこまでやりたいわけじゃない。

海保 口ではやりたいとは言ってるけど、みたいな。じゃないかな~っていう感覚ありますね。

金子 なるほどね。

海保 『すげぇやりたかったらもうやってるでしょ』みたいな。

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金子 今ここにボタンあってポンって押してできるならやるけど、アッチコッチ駆けずり回るんだったら、そこまでやりたくないみたいな。

海保 ということなのかな~と思うんですよね~。それ結構僕全てにおいてそういう考えで。なんか例えば、久々に高校の同級生に会って、当時一緒にバンドやってた奴とか。もうガッツリサラリーマンやってるわけですよ。

金子 はいはい。

海保 『や~なんか海保は毎日楽しそうでいいな。やりたいことやってていいな』みたいな事を言われたり。まぁあるあるじゃないですかそういうの。

金子 あるあるですね(笑)

海保 でも別にそいつ、明日会社バックれてミュージシャンやれるんですよ。

金子 やれますね。

海保 やろうと思えば。でもやってないって事は、結局本当はそっちの方がいいって思ってるんでしょ、って思ってるんですよ。

金子 なるほどね~。

海保 だから結局、こっちのデメリットもあるじゃないですか。収入が安定しないとか、なんかそういうのもあるじゃないですか。

金子 はいはいはい。

海保 それよりは、安定してる、音楽の仕事じゃないけど、そういう人生を過ごしたいって本当は思ってるんだろうなって思ってます僕は。

金子 本気でやりたかったらやりますからね。

 

海保けんたろー :Twitter 

金子将昭    :Twitter

 

 


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海保けんたろー
SONALIOドラマー / 株式会社ワールドスケープ代表取締役

1981年生まれ東京出身。高校入学とともにドラムを始め、22歳からプロとしての活動を開始。 「キマグレン」など数々のアーティストのサポートドラマーとしての活動の傍ら、2008年にはメジャーデビューを経験する。
しかし音楽業界の構造に疑問を感じため独立し、2011年に株式会社ワールドスケープを設立。音楽活動支援サービス・Frekul(フリクル) http://frekul.com/ を公開した。
現在はバンド「SONALIO」と会社経営を並行しつつ、ドラムを教えるYouTuberとしても活躍中。
Twitter http://twitter.com/kentaro_kaiho

 

kaneko

金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

 

haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
hashimoto_hiroshi
カメラマン:橋本浩史
 1990年千葉県生まれ。主にカメラマン、ライターとして活動している。他にも役者、脚本家、演出家としての演劇活動。デザイナーとしての活動にも力を入れている。 企業から個人問わず「やりたいこと」「面白そうなこと」があるところに首を突っ込んでいく内に現在のカタチに落ち着く。 ライブ取材の経験から動きのある撮影が得意。また演劇の経験からその人が輝くには?という視点からシャッターを切る事が多いのも特徴。
 
 

 

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