【対談 その3】「技術に仕事が来るのではなく営業に仕事が来る」山本マサヤ × 金子将昭

前回からの続きでメンタリストの人たちの副業にはメンタリズム以外にどんなものがあるのか。飲食店運営やライターや色々あるようですが一本で食べている人はまだまだ少ないようで、その他の収入源について聞いてきました。(記事構成/原田和真)

 

「メンタリストって営業時間以外は何してるの?」

金子 メンタリストの人達の昼間のことが気になるんだけど、副業とかもやってることあるの?

山本 一応……そうですね。

金子 一本で食えてる人ってどれぐらい?

山本 本当にもうDaiGoしかいないぐらい。

金子 そうなんだ!あ〜、あとはなんか多分専門雑誌とかあったりして、そこにコラム書いてるとか。

山本 あ~はいはいはい(笑)

金子 メンタリズム習いたい人がその人のとこに来て、業界の有名人はもちろん食えてるみたいな。

山本 そうですね。

金子 それはどれくらいなんだろ、ざっくり。

山本 本当数人ですね。

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金子 そっか。その下にいるメンタリストの人達はどうなってくるんだろう?

山本 その人達はまぁ色々いるんですけど、自分のカフェを持ってるとかバーを持ってるとか。

金子 へーすごい!そういう人もいるんだ。

山本 いますいます。長崎にも、最近潰れちゃったんですけどアンデルセンっていう超能力的な人が集まってるマジックバーがあったりとかして。あと神戸にも1個あったりして、催眠術師がやってるんですけど。

金子 催眠術師!?俺、人生で初めて聞いたよ!その職業!

山本 アハハハ(笑)

金子 そんなのあんの!?

山本 あるんです。食ってる人間がいるんです。

金子 すごい!!!!

山本 すごいです。

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金子 それはパフォーマーとしているの?

山本 はい、パフォーマーやってます。

金子 その催眠術師って基本的にはお店経営とかで食ってるってことなの?

山本 そうですね。あの~一応DaiGoが日本で初めてのプロのメンタリストって言われてるぐらい、あれって食うの凄い難しいんですよ。

金子 そうなんだ。

山本 ニーズが本当に少ないんで。イベントする時の思考回路って、「イベントやります、誰かエンターテイナー呼びます。マジシャン・ミュージシャン・メンタリスト、誰が面白い?」ってなったら……まぁマジシャン。

金子 ハハハ(笑)

山本 とか大道芸?とかってなるじゃないですか絶対。

金子 メンタリズムってさ、準備あんまりかからないよね。だから舞台装置で「バンドマンが来るから機材手配して」とかないでしょ?

山本 あ、そうですね。ただ地味なんですよ。その欠点があるんですよ。デメリットはどんどん出るんですよ(笑)

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金子 パフォーマンスとしてはそうなんだ?

山本 長いし地味だしつまらないしっていうのがあるんですよ。ただ、メンタリズムのいいところは、「心理学の面白さ」を伝えれるんですよ、唯一。

金子 あ、そうなんだ~。

山本 心理学の本とかを読んでもイマイチ実感湧かないじゃないですか、ラポール、ミラーリングとかって。でもメンタリストってステージ上でラポールをやって心理誘導してっていうのを実際目の前でパフォーマンスするんですよ。

ラポール:

臨床心理学の用語で、相手との信頼関係が築けている状態を「ラポールが築けている」と言う。初対面の人の緊張を解くためにはラポールを築くことが重要。

ミラーリング:

相手のしぐさ、会話のスピード、表情などを真似ることで、相手とのラポール(信頼関係)を築く手法。仲のいい友人同士や、恋人、夫婦は自然とお互いが同じ動作をしていることがよくある。

金子 へぇ~。

山本 だから人間が好きな「嘘を見抜く」とかそういうのを実際に見せてるんですよ。そういう知識的な興味、好奇心がある人からすると凄い面白いです。

金子 なるほどね~。

山本 マジシャンは指先のテクニックなのでタネを見破る方に興味があるんですけど、でもメンタリズムは心理学なんでそこは暴かれても特に問題はないです。『そんな技術必要ないかな』みたいな(笑)

金子 そっかじゃあ、知識的な興味として面白いのでパフォーマーとして呼ぼうって需要が広まってないって事か。

山本 そこまで広まってないですね~。多分すごく少ないと思います。

金子 逆に言えば駆け出しというか……まぁ売出し中のメンタリストってたくさんいるでしょ?

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山本 いますいます。

金子 ってことはその人達ってのは発注したら割りと安価に来てくれる?

山本 どうなんでしょうね?レベル的に分かんないんで業界的には統一したいんですよ。なんかマジシャン20分で5万とか3万とか。

金子 うん。

山本 でも初心者の子って『いいっすよ2千円とか3千円とかで』みたいな。

金子 いるいるいる。ミュージシャンもそうだよ。

山本 でも実際お客さんからすると分かんないんですよ、何が違うのかっていうメンタリストのレベルが。それで来てみてガッカリするんですよね。『こんなもんか』って。で、次が無いんですよ。ある意味、本人にプレッシャーを与えるって意味でも統一した方がいいと思うんです。

金子 値段統一するとそれはそれで結構弊害は出てくるんじゃない?協会入らないと活動できない、安くても引き受けたいのにできない!みたいな。

山本 結構出ると思います。

金子 難しい問題だよねでも。

山本 でも0か100かのどっちかがいいと思うんですよ。

金子 そうなんだ~。

山本 ボランティアならそれはしょうがないと思うんですよ。なんか中途半端に『じゃあ僕1万円でいいです』って言って、呼んできてガッカリして、本当にうまい人間がいなくなった場合とかも全然ありえるわけじゃないですか。

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金子 仕事の取り方によると思うんだけど、本当にうまい人間に仕事が集まるかどうかじゃなくて、営業が上手い人間に仕事が集まるのかなって思う。

山本 や~でも本当思います。僕も技術的に上手いとかじゃなくて、営業の上手い人に仕事が集まると思います。

金子 ミュージシャンも技術が上手い順に収入が多いとかじゃなくて、やっぱり売り方や営業が上手い人がお金稼ぐ世の中で、それでいいんじゃないかなって思うんだけどねぇ。

山本 やっぱり結局マーケティングの話に戻ってくるんですけど……。

金子 そういう話だと思うよ。そういう知識つけることがアーティストの人って大事だよね。

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山本 そうですね。ある意味流行に敏感な人間が多分上手いな~と思うんですよね。古い人間って新しい事嫌うじゃないですか。古風な『クラシックな方が絶対にいいはずだ!』っていう人もいれば、なんか『今的なカッコいいテクニック使った方がいいじゃん』みたいな人もいて、若い人が追ってる流行の方が売れるんですよね、絶対。

金子 まぁそうだよね。

山本 流行に敏感でニーズを掴んでる人は売れますね。めちゃくちゃ上手くても、面白くなかったら全然売れないですよね。そういう意味ではニーズを追っかけるってのはすごく大事だな~って思います。とか言って色々手を出し過ぎたら失敗しますけどね。マジシャンがメンタリズムするしマジックするしイリュージョンするしってなるとそれはそれで失敗しちゃうんで。(笑)

金子 そうなんだ!へぇ~。

山本 そう思います。

金子 まぁメンタリズム面白いけどね。

山本 いやぁ~大好きですけどね!

 

山本マサヤ :Twitter

金子将昭 :Twitter

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masaya

山本マサヤ Official Site

メンタリスト。心理学やNLP、マジックなどを組み合わせて読心術や心理操作のパフォーマンスを行うメンタリスト。人類の上位2%の知能指数IQ150以上(Mensa所属)を持ち、メンタリズムのパフォーマンスだけでなく、心理学の正しい知識と、正しい使い方を広めるためのセミナーも都内各所で行っている。マーケティングコンサルタントとメンタリストのスラッシュキャリアを行っている。

出演履歴:◯メディア  ジャパネットたかた/山口朝日放送 今週のぶらり/千葉テレビ 土曜BangBang!/関西テレビ マルコポロリ/K-Station 「企画会議」◯舞台  劇団あーてぃすとら「大胆☆素敵」

 

kaneko

金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

 

haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
hashimoto_hiroshi
カメラマン:橋本浩史
 1990年千葉県生まれ。主にカメラマン、ライターとして活動している。他にも役者、脚本家、演出家としての演劇活動。デザイナーとしての活動にも力を入れている。 企業から個人問わず「やりたいこと」「面白そうなこと」があるところに首を突っ込んでいく内に現在のカタチに落ち着く。 ライブ取材の経験から動きのある撮影が得意。また演劇の経験からその人が輝くには?という視点からシャッターを切る事が多いのも特徴。

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