【対談 その3】「新しい音楽ビジネスにメジャーも期待?」海保けんたろー × 金子将昭

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今から一年以上前の2015/1/9の海保けんたろーさんと対談。なぜ一年も遅れて公開なのかはさておき、新しい音楽ビジネスをする時にメジャーから敵視されるかと思いきや意外に期待されているという。勝ちパターンがなくなった音楽業界の成功法はあるのか。(記事構成/原田和真)

 

「音楽アプリの理想形は」

金子 なるべく音楽を聴くってことに関して、選ばせないってのはおかしいですけど、良い風に言えば”生活”にする。

海保 あ~うんうん。

金子 生理的現象にするぐらいの勢いにするんですよ、ポジティブな考え方で言うと。

海保 はいはい。

金子 アプリベースだとそこが実現できるやり方かなぁってのをちょっと思ってて。

海保 そうですね~。

金子 本当は脳の中にピンッとかって入れて『うわ、いいねぇ~!』みたいな(笑)

海保 アハハハ(笑)

金子 なったら最高なんですけどそれ多分オレ無理だなみたいな。

海保 ですね(笑)まぁ今僕ら「Lumit(ルミット)」ってアプリ作ってるんですけど。

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金子 ああそうですよね!

海保 まさに気分選んで再生して、好きとか嫌いとかを押していくとそれをどんどん学習していって、みたいな感じなんですけど。

金子 はい。

海保 先には僕もなんとなくそういう世界観でいきたいなってのを思ってて。

金子 早く作ってください(笑)

海保 脳波猫耳っての一回流行ったの覚えてます?

金子 あ~いや~わかんない……かなぁ~?

海保 個人のハードウエアのエンジニアさんみたいなちょっと有名な人が、カチューシャのような可愛い猫耳みたいなやつが付いてるんですけど。

金子 あ、ああ!知ってます知ってます!

海保 脳波を測ってて、テンション上がってるとこっち向くとか……。

金子 はいはいはい!

海保 落ち着いてる時伏せるみたいな。勝手に動くやつがあって。その人に会って話したことがあって。それで『脳波読み取って、自動で選曲みたいのできないですかね?』みたいな話をしたら。

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金子 はい。

海保 『実はそれ考えてて、やりたいと思ってるんだよね』みたいな感じ言ってるんですけど。

金子 あ~できるんだったらそれすごいですよね。

海保 『できるんですか?』って聞いたら『理論上はできるけど、データが膨大に必要』とか言ってて。

金子 あ、そうなんですか。

海保 要は物凄い量の実験データみたいなやつを取んなきゃいけないらしんですよ。”こういう脳波の人がこういう音楽を聴いた時に脳がこう変化する”みたいなやつを一万通りとかやんなきゃいけない。

金子 ああ~~(笑)

海保 『予算めっちゃあれば』みたいな(笑)

金子 それどっかデータ持ってないんですかね?

海保 う~ん無いんじゃないですかね?

金子 まぁそんな研究してる人いないか~音楽だけ。

海保 とかそんな話をしてて。まぁでも逆に言えばそのうちできる可能性あるんで

金子 でもそれデータ待ちなんですね~。そこなんとかしたいですね。

海保 うちがLumitでむっちゃヒットしてめっちゃ儲かったらそこに投入します(笑)

金子 ハハハハ(笑)

「メジャーとかインディーズとか・・・」

金子 音楽聴く時のニーズって、”好きな曲をずっと聴く”ってのと”何か探してる”ってのに分かれると思うんですよね。

海保 ですね。

金子 で、色々聞くと『大好きなCD買いました、いっぱい聴きます』って人でも”半年間毎日聴き続ける人って、僕の感覚値で話聞くといないんですよね。

海保 うんうんそうだと思う。

金子 一ヶ月ぐらいはずっと聴くらしいんですよ。もう毎日毎日。だけど二ヶ月三ヶ月って経ってくとやっぱ変わってくんですよね。

海保 う~ん。

金子 多分また思い出した様に聴き始めるんだとは思うんですけど。もう『メジャーの曲好き』って言われたら「好きな曲をずっと聴く人」には無理なんですけど。

海保 うんうんうん。

金子 ”探してる人”にとっては正直な話メジャーかメジャーじゃないかって、あんま関係ないのかな~って思ってるんですよね。

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海保 そうだと思います。

金子 聴いて良いと思うかどうか。むしろメジャーの楽曲って権利問題があるんで身動き取りづらいじゃないですか。だから逆にインディーズとかの方が僕すごい可能性いっぱいあると思ってて。

海保 うん。

金子 あとインディーズって言うけど、(フリクル)いい曲結構多いですよね。

海保 いやぁ~もうおかげ様で本当に。

金子 あと逆に変なバイアスかかってないというか、なんか意欲的な作品もめちゃくちゃ多いなって感じもするし。

海保 そうですね。

金子 それも面白かったりするんですよねなんか。

海保 要は構造上そうなんですよね。やっぱりメジャーに行くってことはある程度デカいビジネスになりそうだなって思われないとどうしてもこれからメジャーデビューするってのは難しいので。

金子 ですよね。

海保 そうすると、じゃあ一億人プロモーションした時に少なくともその10%以上の人たちは「いいじゃん」って言いそうだなっていう音楽じゃないと通らないじゃないですか

金子 通らないですよね。

海保 ってなると絶対偏りますよね。

金子 結局そうなってきますよね。

海保 そう、もう。

金子 するとさっきのカッコいいかカワイイかとかの話にもなってくるし。そこで分けてってみたいな。

海保 そうそうそう。手堅い方に。

金子 楽曲もそういう人達が好きそうな流れできますよねそうすると。

海保 そうなんですよね。

金子 そうなってくるともう、デカいところって多分もう動き取れないのかなとかって思っちゃうんですよね。

海保 いやもう本当そうだと思います。

金子 もしかしたら「誰か」って言ってるかもしれないですよね。外部で個人で始めて、下から盛り上がってきて、んでいい感じになってきたところで大きいところが『よいしょ』って言ってやり始めるのかなみたいな。

海保 いやまさにまさにそうです。僕フリクル立ち上げる時に、結構メジャーレーベルの人達から敵視されるのかな~みたいなことちょっと考えたことあったんですよ。

金子 ああ~ああ~。

海保 要はフリクルってメジャーデビューとかを闇雲に目指すんじゃなくて、自分達でビジネスの基盤を作ろうぜみたいな発想なので。

金子 はいはいはい。

海保 そういう覚悟で始めたんですけど意外と、今まさに金子さんおっしゃったみたいな感じで。知り合いとかもいるんで話聞くんですけど、メジャーレーベルの中の人達も全然勝ちパターンが分かんないみたいな。

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金子 ハハハハ!そうですよね(笑)

海保 もう全然分かんなくなっちゃってるから、そのフリクルみたいな新しいビジネスの考え方みたいのが出てきた時に、むしろちょっと期待してるっていうか(笑)

金子 フフ(笑)

海保 もしからしたこういうやり方が今後うまくいくのかもね、みたいな。

金子 成功事例になってくれれば。

海保 そうそうそう。それで、うまくいってくれたらそれはそれで取り入れればいいみたいな感じなんで。現状僕らまだまだ派手な結果出せてないっていうのもあるんですけど、どっちかっていうと応援してくれてるっていうか、結構気にかけてくれてる。

金子 へぇ~。

海保 ある意味様子伺ってきてるんでしょうけど。

金子 僕もなんかそういうのを見た時に『大々的にやる人がようやく出てきたか、すげぇな』とかって思って『俺できねぇな』みたいな(笑)

海保 ハハハ!いやいやいや(笑)

金子 『こんな具体的にできねぇな』みたいな。

海保 勢いですよそれは。

金子 なんか僕そういうのがいっぱい出てくるといいなって思ってるんですよ実は。

海保 ん~そうですね。

 

海保けんたろー :Twitter 

金子将昭    :Twitter

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海保けんたろー
SONALIOドラマー / 株式会社ワールドスケープ代表取締役

1981年生まれ東京出身。高校入学とともにドラムを始め、22歳からプロとしての活動を開始。 「キマグレン」など数々のアーティストのサポートドラマーとしての活動の傍ら、2008年にはメジャーデビューを経験する。
しかし音楽業界の構造に疑問を感じため独立し、2011年に株式会社ワールドスケープを設立。音楽活動支援サービス・Frekul(フリクル) http://frekul.com/ を公開した。
現在はバンド「SONALIO」と会社経営を並行しつつ、ドラムを教えるYouTuberとしても活躍中。
Twitter http://twitter.com/kentaro_kaiho

 

kaneko

金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

 

haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
hashimoto_hiroshi
カメラマン:橋本浩史
 1990年千葉県生まれ。主にカメラマン、ライターとして活動している。他にも役者、脚本家、演出家としての演劇活動。デザイナーとしての活動にも力を入れている。 企業から個人問わず「やりたいこと」「面白そうなこと」があるところに首を突っ込んでいく内に現在のカタチに落ち着く。 ライブ取材の経験から動きのある撮影が得意。また演劇の経験からその人が輝くには?という視点からシャッターを切る事が多いのも特徴。
 
 

 

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