「楽しくなければビッグバンドじゃない!」イガバンBBが初フルアルバム

 4月5日にデリカテッセンレコーディングスからイガバンBBのフルアルバムが発売される。編集部ではいち早く届いた音源と資料から早速このアルバムのレビューをしたい。

イガバンBB

楽しくなければビッグバンドではない” という想いをコンセプトに、トロンボーン・プレイヤー、アレンジャー、コンポーザー五十嵐誠が主宰するビッグバンド。世代を問わず「文句無しにカッコイイ!とにかく楽しい!」と多方面から高い評価を受けている、今最も旬なバンドの一つである。

ジャケット通りの男気溢れるサウンド


1曲目のイントロから勢いあるユニゾンからはじまるこのアルバム。この勢い通り、どの曲もビックバンドサウンドを十分に味わうことができる。

その1曲目は五十嵐誠のオリジナル曲「Big Band がお好きでしょ?」。ウイスキーのようなしっとり大人な・・なんてことは全然ない、むしろ真逆なビックバンドのグルーヴでおもわず踊りだしたくなるナンバー。

5曲目の「全力少年」はスキマスイッチのカバー。オリジナル曲を知らないと原曲かと思うくらいに見事にジャズアレンジのビックバンドサウンドに生まれ変わっている。

8曲目の「Seasons of Love」はミュージカル「RENT」の曲。この有名曲を取り上げるあたりに自身のアレンジの自信が伺える。見事にビックバンドの美しいバラードサウンドに仕上げている。

オススメ曲は「Sing without Song」


そして何と言っても聴いてほしいのがアルバムタイトルにもなっている9曲目の「Sing without Song」。これも五十嵐誠のオリジナル曲。タイトルに込められた「歌なしに歌う」という意味は「歌わずにはいられない」というニュアンスが含まれているという。

お互いが歌わずにはいられないかのように細部にこだわり抜いたセクションやハーモニー、この曲のブラスアレンジは編集部では特に一押しでお勧めしたい。

その他、4曲目の「CRASH」と10曲目の「I’ ll Call You」はそれぞれ現在放送中のNHK「探検バクモン」のオープニング曲とエンディング曲にもなっているなど、ジャンルに問らわれない幅広い世代も取り込んで圧倒するそのサウンドは、まさにビッグバンドの醍醐味を味わうことができるフルアルバムに仕上がっている。

イガバンBB オフィシャルウェブサイト

五十嵐誠 オフィシャルウェブサイト

 

SING WITHOUT SONG

SING WITHOUT SONG

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イガバンBB

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この記事を書いた人

kaneko

金子将昭(ジャズピアニスト)

http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。大学にギター科で入学。その後、経験無しのピアノ始め二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、音楽と社会をつなげるメディア「Circle」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、ジャズアイドル「JiPP」のプロデュース、東京音楽理論研究大学主催、劇団あーてぃすとら主催、音楽アプリ「lepot」のプルデュース、アーティストや劇団への楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむジャズスタンダードちゃんねるをYOUTUBEチャンネルにて更新中。

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