犬などは人間の命令を聞いたりしますが、音楽を聞いてビートを刻む動物もいます。
動物達は人間と同じ様にリズムを感じているのでしょうか?今回は動物のリズムを感じる能力についてです。
Dancing Animals Help Tell Us Why Music Evolved
http://news.nationalgeographic.com/news/2014/02/140216-sea-lion-parrot-music-animal-behavior-science/?rptregcta=reg_free_np&rptregcampaign=20131016_rw_membership_r1p_intl_dr_w#close-modal
人間の文化には必ず音楽が存在しています。しかし、音楽が私達にどれだけ浸透しているのかというのは未だにはっきりとはしていません。
音楽は単に音を真似することの延長線上にあるという説もあれば、ダーウィンのようにリズム感は全ての動物に共通しているという説もあります。
2009年に初めて研究者たちは動物のビートを刻む能力に目を向けました。
認知神経学者のAniruddh Patelはスノーボールというオウムが音楽に合わせて踊るビデオを見つけました。研究者達は、カメラ外で人間が踊っていて、スノーボールがその真似しているだけなのか、本当にビートを刻んでいるのかを確認するテストを行うことになりました。
結果、曲が速くなったり遅くなったりしても動きを合わせられることができるということが分かりました。ここでの柔軟な適応力が、人間と同じ様にメロディーに合わせているのかを見る一番のポイントだとPatelさんは述べています。その後、研究によってここまで柔軟ではないにしても、ボノボやチンパンジーにも同様な能力があるということも分かりました。カリフォルニア大学で飼われているアシカも、曲に合わせて上手く頭を振ることができます。
ナショナルジオグラフィックではPatelさんと動物や人間のリズムや音楽の認識について対談を行いました。
—動物のビートを刻む能力について、どのくらい人間は調査してきましたか?
生物学では長い間研究対象となっており、1970年台に行われた実験では、ホタルがその能力を持つということが分かっています。
しかし、動物に関して言えばごく最近になってからです。
2009年に発行されたスノーボールの論文が一番最初のものです。
—他にどんな動物がリズムを認識できますか?
人間のように様々なテンポの曲でビートを刻めるのは今のところアシカとオウムだけです。
象にもこの能力があるという説もありますが、まだ定かではありません。
—人間以外の霊長類ではどうですか?
日本で行われた研究では、チンパンジーは一定範囲であればメトロノームに合わせてリズムを取れるようですが、対応力はあまりなく、テンポが上がったり下がったりするとだめなようです。しかしまだまだ浅い分野ですので、少し訓練を詰めばチンパンジーも柔軟に対応できるようになるかもしれません。
—人間はいつごろこの能力を得るのでしょうか?
4,5歳の子供は既に出来ます。もっと小さい子供でも出来ますが、普通は自分の好きなテンポ周辺でのみ可能です。つまり、大体3-5歳くらいです。
—ビートに合わせて動くには、様々な脳の部分を使う必要があるといっていましたが、どの部分でしょうか?
リズムを感じ取ると、身体を動かしていない時であっても、脳の聴覚系と運動系の両方が反応するようです。動いておらず、動こうともしていないのに、動きを司る部分が反応するというのは興味深いことです。
基底核や小脳と言った内側の部分はタイミングを取るのに重要な役割を持つと考えられています。頭頂皮質は異なる脳の部分をまとめたり、マッピングするのに重要なようです。
これだけ広い部分が使われているということを考えれば、他の動物が簡単にできないというのもわかると思います。脳の多くの部分を上手く連携させなければならないのです。
—動物では脳のどの部分が使われているのでしょうか?
メキシコの神経生物学者のHugo Merchantが猿を研究しましたが、猿はリズムを刻む際に人間と全く同じ部分を使っているわけではないようです。
—先の例で出てきたアシカ、オウム、象、ボノボ、チンパンジーといった動物ではリズムを刻めるようですが、適応値という点ではどうでしょうか?
私の理論では、この能力は音を真似する能力の結果生まれたものです。人間は他の動物と違って複雑な音も真似できますし、脳の聴覚系と運動系が上手く連携しているということです。
これが正しければ、リズムを刻むというのは進化の副産物であると言えます。そういう理由でオウムでこの理論を試しましたし、猿の研究にもとても興味がありました。
今のところ、音声学習を行えないとされるアシカ以外にはこの理論が当てはまりますが、結論はまだ出ていません。
適応値で言えば、人間にとってはこの能力というのは社会的繋がりに使われます。皆に合わせて動くと、社会的・感情的に結びつきが感じられます。
—社会的ではない動物にも見られる行動ですか?
そうです。ホタルは社会的な生き物ではありません。光る時はある程度集まりますが、普段食べ物を探す際は協力もしませんし、社会的生活も送りません。
—次にどんな動物を調査したいですか?
馬です。馬は発声に関しては全く柔軟性がありませんし、そのような動物が近い種族にいるわけでもないからです。
動物でリズムを感じられるのはどうやら少ないようですね。
脳の多くの部分を複合的に働かせる必要があるので、全ての動物ができるわけではない、ということですね。
私達が音楽をできるのも脳が高度に発達したおかげなのかもしれません。
レーベルサイト立ち上げました。
今後音楽等のコンテンツを配信していく予定です。
鈴木元(すずきはじめ)
洗足学園音楽大学ジャズコース入学を機にコントラバスを始める。 藤原清登氏、佐藤ハチ恭彦氏にコントラバスを師事。
大学入学時より演奏活動を開始し、様々な場で活動を行う。 大学ではビッグバンドなども経験し、第42回山野ビッグバンドコンテストで5位入賞。2011年Taipei International Jazz festivalをはじめ国内外のジャズフェスティバルにも出場。
洗足学園音楽大学で優秀演奏者賞を獲得し、同大学を首席で卒業。
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