【対談 その1】「メジャーになっても何も変わらなかった!?」YD (GUTS AND DEATH) × 金子将昭

プレミアムチケット、ユーチューバー、アプリを使ったファンとのコミニュケーションなど様々なアイディアでバンドを運営するGUTS AND DEATHのドラマーのYDさんに今回はその取り組みをきいてきました。これからの音楽活動は、今までのCD作ってライブではなくそれぞれに工夫をしないければいけないのかもしれません。(記事構成/原田和真)

 

「メジャーになって変わった事はない?」

金子 インディーズの時とメジャーの時を比べて「お客さんの動員が増えた」とか体感的なことって何かありましたか?

YD 特にないです(笑)。別にそこはあんまり。色んなとこの露出が増えたなって感じですかね。ラジオやテレビとか、雑誌のバリエーションとか。

金子 じゃあそれが動員数に繋がるか、CDの売上に繋がるかってのは……?

YD 全然ないですね。

金子 差し支えなければなんですけど、インディーズ時はどんな契約だったんですか?

YD インディーズの時はただ事務所と契約しているだけですね。給料も一応ありました。微々たるものですが・・。

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金子 契約によって何か拘束されることってあるんですか?

YD 「バイトはダメ」とかそういうのはないですけど、やっちゃいけないことはあります。ホストでバイトしちゃいけないとか。

金子 あ~そういうこと(笑)。

YD ただ、忙しかったですけどね。全然時給換算できるレベルじゃなかったですけどね。

金子 でも副業はしてもいいんですよね?

YD できないレベルですね~。

金子 あ、バンバン入ってくる。

YD はい。

金子 でもバンドマンにとってありがたいといえばありがたい事ですかね。。

YD なんとも言えないです。活動内容によりけりです……。

 

「事務所からの脱却」

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金子 事務所も変わってるんですよね?

YD 事務所も一緒です。

金子 流通を日本レコードセンター(NRC)かどっかに切り替えたって事なんですかね?。

YD 分かんないです(笑)

金子 メジャーとインディーズの違いって、流通経路の違いっていうのは言われますよね。

YD まぁでもインディーズの頃も流通を流してたりとかも……。

金子 基本的には今と近いようなことをやられてたんですね~。

YD そうですね。

金子 「メジャーになったよ」ってこの日から切り替えるみたいなのはあったわけではない?

YD あったんですけど、そこを別にゴールにして活動してたわけでもないし、それをプロモーションの一つみたいな。

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金子 じゃあメジャーになったから途端に生活が切り替わったとかじゃ……。

YD 全然ないです。

金子 契約も給料がちょっと増えたとかそういう感じで。

YD はい。

金子 その時はメジャーがゴール地点じゃなくて、どこを目標にしてたんですか?

YD ”音楽でご飯を食べる”っていう。

金子 その”音楽でご飯を食べる”っていうのをある程度を事務所に依存してたと。

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YD はい、そうですね。

金子 そこの事務所って辞められてますよね。それっていつぐらいになるんですか?

YD 辞めたの一年前ぐらいです。

金子 辞めて、自分達で独立しようっていう感じなんですかね?

YD まぁ逆も然りというか。自分がやりたいから辞めたみたいな感じですね。

金子 その時って「こうやれば飯を食える」みたいなアイディアがあって実践しようとして辞めた感じですか?

YD そうですね。

金子 どんな事を考えられてたんですか?

YD う~ん……。純粋に、やってる事に対して事務所がいっぱいお金持ってき過ぎだろっていう話でもある。

金子 アハハハ(笑)

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YD それとシーンがヴィジュアル系だったので、なんというか……そんなに音楽やってるなっていう気持ちでないというか。それに、ただただ歳をとっていくだけでキャリアとしても良いものも残せてないなっていうのがあったんで。で、お金もないんだったら、もう全部最悪だなって。

金子 音楽を聴いてくれるファンじゃなくて、ただ自分達にキャーキャー言ってるってことにちょっと違和感を感じた?

YD 違和感とかはないんですけど、それは受け入れるしかないんですけど。なんて言うかな……それをさらに他の人に握られてやってるのと自分からやってるのと違うなっていう。

【その2】「バンドだからって音楽だけを売らなくても良い」


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YD GUTS AND DEATH ドラマー

慶應義塾大学文学部卒。2010年に ロックバンド THE KIDDIEでメジャーデビュー。2015年3月31日にZepp Tokyo で解散した後、同バンドのメンバー3人でバンド形態のYouTuber音楽ユニットGUTS AND DEATHを同年5月に結成。自身のアーティスト活動と平行しながら、様々なアーティストへの楽曲提供、サポートドラマーとしても活躍。

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金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

 

haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
tantan
カメラマン:たんたん
映像カメラマン・写真・イベント・トリッププランナー・劇団あーてぃすとら、興味のあることにはなんでも挑戦する映像カメラマン。

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