【連載】Vol.11 コントラバスとは?「過去のコントラバス奏者編」

kontorabasuこんにちは。

今回も張り切ってコントラバスについて考えていきたいと思います。

コントラバス本体のことについては結構話してきたので、今回はコントラバス奏者で作曲家のドメニコ・ドラゴネッティ(1763ー1846)についていくつか紹介したいと思います。 

Dragonetti

当時はコントラバスはチェロのオクターブ下を弾くのが基本でした。”ダブル”ベースという呼び名はここから来ています。

ドラゴネッティはある時ベートーヴェンと知り合いになりました。ベートーヴェンにコントラバスを弾いて聞かせるのですが、とんでもない技術を持っていてベートーヴェンは感激しました。

そのコントラバスパートが難しくなったという逸話まであります!!

 

彼の経歴はかなり反則的です。。。

12歳でベネツィア一番とされるベリーニに習いますがレッスンを11回受けた後、彼から「お前に教えることはもうない」と言われたそうです…笑

13歳でヴェネツィアのOpera Buffaの首席奏者、14歳で聖ベネデット劇場のGrand Opera Seriaの首席奏者になりました。というか13歳でコントラバスって弾きこなせるものなのでしょうか…。

これはフランスの話ですが、1807年の時点で徴兵適齢者の平均身長が161センチだったそうです。小さい楽器を使っていたと信じたいところですね…。(笑) ちなみに、かなり強靭な人で弦高は他のベースプレイヤーの2倍くらいあったそうです。

 

ここで彼のコンチェルトを紹介したいと思います。

こちらはかなり有名な曲で、譜面付きです。

映像はこちらです。

譜面もかなり複雑で、指板上をまさに縦横無尽に移動しています…。弾くのにはかなり高度なテクニックがいりますね。

 

実は彼は弓も考案しています。それがこちらのドラゴネッティ式の弓です。

Dragonetti Bow

現代の弓は強いテンションをかけられるように弓が逆反りになっていますが、彼の弓はそうなっていませんね。持ち方はジャーマンと同じ持ち方です。

中世の武器にショーテルというのがあるのですが、それに弓の毛を張ったような見た目をしています…(笑)

ショーテル

今回はここまでです。

最後まで読んでくださってありがとうございます。次回も歴史的なコントラバス奏者を紹介していく予定です。

 

Vol.10「コントラバスの形 編」 

Vol.9「スクロールの裏の彫刻編」

Vol.8「組み立てとスクロール&ネック編」 

Vol.7「表板制作(2)」

Vol.6 「表板制作(1)」

Vol.5 「裏板制作」

Vol.4 「側板制作」

Vol.3 「ジャーマンボウとフレンチボウ」

Vol.2「 ヴィオラ・ダ・ガンバ」

Vol.1 「コントラバスとチェロの違い」

 

(参考)

http://en.wikipedia.org/wiki/Domenico_Dragonetti

http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10069/21495/1/KJ00005072960.pdf

http://www.talkbass.com/forum/f2/dragonettis-bow-971203

 


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鈴木元(すずきはじめ)

洗足学園音楽大学ジャズコース入学を機にコントラバスを始める。 藤原清登氏、佐藤ハチ恭彦氏にコントラバスを師事。

大学入学時より演奏活動を開始し、様々な場で活動を行う。 大学ではビッグバンドなども経験し、第42回山野ビッグバンドコンテストで5位入賞。2011年Taipei International Jazz festivalをはじめ国内外のジャズフェスティバルにも出場。

洗足学園音楽大学で優秀演奏者賞を獲得し、同大学を首席で卒業。

都内・神奈川などで演奏活動・作編曲・レッスンなどで活動中。

 

 

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