今回から始まりましたベーシスト鈴木元のコントラバス連載「コントラバスとは?」実はとっても歴史が深いこの楽器を鈴木元がこの連載でバシバシ紐解いていきます。
コントラバスとは?
僕は*コントラバス奏者なのですが、楽器を持って歩いていると、よく「何て楽器なの?」とお年寄りの方から聞かれたりします。
直接は話かけて来ないまでも「あれってチェロかな?」と話している人たちや、「大きいバイオリン!」と言っている小学生くらいの子どももいます。ギターと言われることもあります…(笑)
「あれ?、意外と認知度が低いんじゃないかな?」というとこで、コントラバスという楽器について書いていきたいと思います。
「大きさ」と「重さ」
まずコントラバスの大きさから見て行きましょう。僕の持ってる楽器は普通の楽器より少し大きいサイズですが、高さが199cmです。
一応サイズは170-200cmと言われています。最小値は最大値の75%ですね…。ちょうどいいサイズのワイシャツ買ったと思ったら袖口丸ごとなかったぐらいの差です。(笑)
次は重さです。色々な方から話を聞くと、10-15kgくらいです。我が家には体重計がないので重さはわかりませんが、僕のは軽い楽器なので10kgくらいだと思います。重さはすごいバラつきですね。最小値は最大値の66%です。
このように、大きさ、重さにかなりのバラつき(差ではなく比で)があるのがコントラバスです。
コントラバスとチェロの違い
では本題。一番間違えられやすい、コントラバスとチェロ(またはバイオリン、チェロ)の違いについてです。
かなりざっくり言うと、背負えるサイズだったらチェロです!!(笑)
チェロは120cmくらいなので、人の身長より低いです。ケースに入れても、人の身長を上回ることはありません。ちなみにコントラバスも背負えますが、後ろから見るとでかいカブトムシに見えます。ケースに入った状態で見分けるのは非常に簡単ですね。
外見は細かい違いがあるので、見てみましょう。「大きいバイオリン」の外見はこんな感じです。
チェロと同じに見えるでしょうか?
考えてみてください。
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(考えるスペース)
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Fホールやテールピースはチェロと同じ形です。ヘッドも渦巻きになっています。
では「小さいバイオリン」と比較してみましょう。
<p”>こうやって見ると全然見た目違いますよね。個人的に一番最初に気になるのが、肩の部分です。チェロは肩が張ってますが、コントラバスはなで肩です。
それにネックの付け根のところが幅が狭く、ボディー中央部に行くにしたがって厚くなっていきます。実はコントラバスはバイオリンやチェロから派生した楽器ではないのです。(これについては今後書きたいと思います)
コントラバスの元になった楽器がなで肩なのですが、それが顕著に残っていますね。
次に気になるのはペグですね。
コントラバスはペグが金属です。これは弦の強い張力に耐えるためです。昔はチェロと同じで木製だったのですが、すぐ弦が緩んでしまっていたそうです。
最後はくびれ部分のエッジです。チェロは外側へ伸びていますが、コントラバスは突き出ていません。
以上が主なコントラバスとチェロの外見の違いです。実はコントラバスにもチェロに似せて方が張っているものや、くびれ部分のエッジが突き出ているバイオリンシェイプというのも存在しています。
コントラバスとチェロは似ているようで実は結構違うんですね。皆さんもコントラバスを見た時は「それってコントラバスですよね?」と声をかけてみてください。
*ちなみにコントラバス、ダブルベース、ストリングスベース、ウッドベース、アップライトベース、弦バス、ベースフィドルという呼び名はすべて同じ楽器を指してます。オーケストラで使われるコントラバスと、ジャズで使われるウッドベースは楽器としては全く同じものです。
鈴木元(すずきはじめ)
洗足学園音楽大学ジャズコース入学を機にコントラバスを始める。 藤原清登氏、佐藤ハチ恭彦氏にコントラバスを師事。
大学入学時より演奏活動を開始し、様々な場で活動を行う。 大学ではビッグバンドなども経験し、第42回山野ビッグバンドコンテストで5位入賞。
2011年Taipei International Jazz festivalをはじめ国内外のジャズフェスティバルにも出場。
洗足学園音楽大学で優秀演奏者賞を獲得し、同大学を首席で卒業。
都内・神奈川などで演奏活動・作編曲・レッスンなどで活動中。
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