Hola! Bienvenidos al mundo de la música latina.(こんにちは!ラテン音楽の世界へようこそ!)
お久しぶりです。トロンボーンの島田直道です。
今回はクラーベの上で演奏されるリズムパターン───トゥンバオ(Tumbao)について解説したいと思います。
トゥンバオという単語はこの講座でも過去に何度か登場しました。
サルサでは、ティンバレスのカスカラやボンゴのマルティージョ(※Vol.4参照)など楽器ごとにいろんなリズムパターンがありますが、その中でもクラーベと共に演奏の土台となる重要なパターンが、ピアノ、ベース、コンガによって演奏されるトゥンバオです。
トゥンバオの形はひとつではなく、同じ曲の中でも音の選び方や演奏されるリズムは様々に変化しますが、以前にも書いたようにそのリズムはクラーベの上に成り立っています。今回は最もスタンダードなパターンをご紹介しますので、各楽器がクラーベとどのように絡むのかにご注目ください。
■コンガ
Vol.4に載せた動画です。クラーベを一緒に叩きながら聴いてみてください。アクセントとなる音がクラーベとピタッと合うのがお分かりいただけるでしょうか。
譜面にすると以下のようになります。
■ベース
スタンダードなのが以下のパターンです。
“基本的に”クラーベの2サイドと3サイドで動きに違いはありません。2サイドでクラーベとズレる分、3サイド(の2個目3個目)で動きが揃ったところに気持ち良さが生まれます(※2サイド、3サイドについてはVol.5参照)。
■ピアノ
ピアノのパターンを聴くとほとんどの方が「ラテンっぽい!」と感じるのではないでしょうか。あのラテン独特のリズムは譜面にすると以下のようになります。
何の音を使っているかよりも、どのようなリズムで演奏しているのかに注目してください。こちらもクラーベを叩きながらピアノのリズムを歌ってみると、よく分かると思います。鍵盤がある方は簡単なのでぜひ弾いてみてくださいね。
上の譜面を音にしたものを用意しました。
今回は2-3のトゥンバオを解説しましたが、3-2の場合は基本的に譜例の2小節が左右逆になる形です(ピアノはちょっと変わりますが…)。
また、ピアノやベースの譜面は音符で書かれていることもありますが、ジャズの譜面と同じようにコードのみの場合も多く、トゥンバオがカッコいいかどうかは奏者のセンス次第で、聴こえてくる音も人によって違いがとてもハッキリしています。
■サルサ講座(パート1)まとめ
Vol.2から5回に渡って”サルサ講座“をやってきましたが、これまでに解説したことを振り返りながら最後に1曲聴いてみましょう。モントゥーノ・セクションからのピアノのパターンを聴いて2-3か3-2かを当ててみてください♪
楽曲の構成やクラーベとトゥンバオなどの仕組みが分かることで皆さんがサルサを身近に感じることができれば幸いです。またいつかサルサ講座パート2をやりたいと思います!
それではまた次回! Hasta luego ! (またね~☆)
[おまけ独り言]
前回からだいぶ空いてしまいましたが、やっと帰ってまいりました。この数ヵ月の間に、仕事でお会いするミュージシャン(特にベテランのラテン・ミュージシャンの皆様…!!)から「ラテン音楽講座読んでるよ」と言われることが増え、嬉しい反面ちょっとビビっております(-_-;)この講座では普段ラテン音楽に馴染みのない方々にこの音楽の事を少しでもお伝えできるよう今後も頑張ってまいります!!
さて、今回でサルサについてはひと区切りとし、次回からは他のラテン音楽に進んでいきたいと思います。次は何かな~
1985 年生まれ。栃木県出身。高校からトロンボーンを始め、昭和音楽大学短期大学部と専門学校東京ミュージック&メディアアーツ尚美(現:尚美ミュージックカ レッジ)で学ぶ。現在はアーティストサポートやスタジオなどで活動する他、トロンボーン講師として都内を中心にレッスンも行っている。
過 去にLA-33(コロンビア)、Yumuri(キューバ)、HERMANOS YAIPEN(ペルー)、Charanga Habanera (キューバ)、Victor Manuelle(プエルトリコ)、Maykel Blanco y su Salsa Mayor(キューバ)などラテン・アーティストの来日公演にてオープニングアクトなどを務める。
日本、ペルー、キューバ、メキシコなどから構成される多国籍サルサバンドEL COMBO CREACION(エル・コンボ・クレアシオン)の日本人リーダーとしても活動中。
ウェブサイト: http://gauche-tb.com/
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