さて、間が空いてしまったのですが、ベースライン講座13回を始めたいと思います。
前回まででウォーキングベースラインの基礎-中級くらいの内容はバッチリ終わりました。何もわからない所から始めた方でも、講座に沿って地道にライン作りをして下さった方は大分ライン作りにも慣れてきた頃だと思います。
正直なところ、基本的なラインの作り方でこれ以上説明したいことはありません(笑) もちろんまだまだ奥は深いですし、もっと発展的なこともありますが、「0から始めるベースライン」としては十分なところまでやっていますので、あと2回で完結とさせて頂きたいと思います。
あと2回をどのように使うかと言いますと、セッションでよくやる曲の代表でもある「On Green Dolphin Street」を例に、ラインの作り方を詳しく解説していきたいと思います。この曲は生徒さんからラインを作るのが難しいと言われることが多いですし、僕自身も始めたばかりの頃は難しいと感じていました。
それでは見て行きましょう。(タブ譜は最後に載せてあります)
まずこの曲はどんな感じなのかJohn Coltraneの動画をチェックしてみましょう。
※)下の譜面はこの動画のベースラインのコピーではありません。
1-4小節目
まずいきなり最初から2小節同じコードが続きますね。曲の始まりですので、無難な感じのラインを作っていきます。
3小節目のGbの音はEbメジャーとEbマイナーを分ける重要な音ですので、そこに向かうように1-2小節目は作っています。
3小節目はコードが変わった感じを存分に出すためにアルペジオで上がっています。
5-8小節目
5-6小節目が難しいところですね。難しいので、アイディアを決めて動かします。アイディアを固定することで、少し楽になる場合が多いです。今回は下降する2つの音をセットにしています。
6小節目はあえてルートに着地するのを避けるかわりに、アルペジオでコード感を出しています。
7小節目はG-7-C7をC7一つとして見ています。ざっくり説明すると、G-7はC7に向かうコード(広義でのサブドミナント)で、しかも音がかなり近い(G-7とC7(9)のルート抜きはほぼ同じコード)ので、C7にまとめることができます。そこから広げて、この小節をC7(b9,b13)としています。
9-12小節目
10小節目はテンションを多く入れることで、次の小節で解決感をアップさせています。。#9,#11,b13を使いました。
※ちなみに●7のコードの時には、ルート増4度の音からのメジャーペンタトニックを使うことができます。この場合はE,F#,G#,B,C#となり、この音はそれぞれBb7に対する#11,b13,b7,b9,#9となっています。
12小節目の最後の音を、次の小節の最初の音(Abマイナーでの3rdの音)に対するクロマチックアプローチにしています。
13-16小節目
14小節目は先ほど説明した増4度上の音から始まるメジャーペンタトニックです。この小節の最初の3音ですが、前の小節の後ろの3音を逆向きにして、半音上げになっています。これによって、緊張感がアップしています。
この仕掛を3音ではなく14小節目の4音に適用しようかとも思いましたが、次の小節の1拍目をテンションにして解決を遅らせる方法を取るため、14小節目の最後の音をそれに対するクロマチックアプローチにしています。
ちょっと難しい話になっていますが、ここまで読んできた皆さんでしたらじっくり考えれば分かると信じています!(笑) 質問があればコメント欄にお願いします。
今回のタブ譜はこちら!
それでは最後に前回の課題です。
前回の課題
次回で後半を見ていきますのでお楽しみに!!
レーベルサイト立ち上げました。
今後音楽等のコンテンツを配信していく予定です。
鈴木元(すずきはじめ)
洗足学園音楽大学ジャズコース入学を機にコントラバスを始める。 藤原清登氏、佐藤ハチ恭彦氏にコントラバスを師事。
大学入学時より演奏活動を開始し、様々な場で活動を行う。 大学ではビッグバンドなども経験し、第42回山野ビッグバンドコンテストで5位入賞。2011年Taipei International Jazz festivalをはじめ国内外のジャズフェスティバルにも出場。
洗足学園音楽大学で優秀演奏者賞を獲得し、同大学を首席で卒業。
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