みなさんこんにちは。最近はもう観光ではなく擬似生活しています。赤須翔です。今回は地下鉄での演奏について書きます。
最初に外で演奏したのは、セントラルパークだった。ギタレレ一本持って行った。ぶらぶら歩きながら演奏場所の目星をつけたものの、いざ演奏する勇気がなく、その辺を行ったり来たり。
これではだめだと意を決して演奏を始めるが、雨も降りだすし人もいないし自信もないしで全然うまく行かずに終了。結局子供が好奇心で入れてくれた1ドル札をゲットしただけ。
次は、ベッドフォードという駅で演奏した。ここらへんは若者が集まるいい感じのエリア。これまたビクビクしたが、決心して演奏開始。
この日は予定があったので、1時間しか出来なかったのだけど、16ドルゲット。これで調子に乗ったと思いきや、そううまくはいかず、同じ場所で次に演奏した時はほぼ0ドル。邪心が生まれたから?
ここから色々試行錯誤が始まる。次の電車が来るまでに演奏を完結させたり、メロディーだけメドレーでやってみたり、世界で一番売れた曲を調べてレパートリーに加えたり。人の沢山いるところではガヤガヤしているし電車もたくさん来るので、静かになるタイミングを見つけてみたり。(ちなみに、人も電車もあまり来ない静かな所でやってみたら、20ドル入れてくれた人もいた。)
色々な事をやってみたが、一番うまく行く気がしたのは、演奏にも考えるのにも疲れた後に邪念が消え、ぐっと演奏に入り込める時。ニューヨークの人たちはこの部分を汲み取ってくれる。どうやら邪念が分かるみたい。
最初の頃は恥ずかしいのでいつも帽子を深くかぶっていた。つばの下から、通り掛かる人や立ち止まって聴いてくれる人の足を見ていた。聴いていた人の足が僕に近づき、チップを入れてくれる。少し大きいお金が入ると嬉しい。
ある時、誰かが1セント硬貨をギターケースの中入れた。思わず顔をあげると、服も汚い明らかにお金のない人が、ニコニコして「いい感じだぜ!!」と言ってくれた時はなんとも言えない嬉しい気持ちになった。このお金たちは、聴いてくれた人たちの「いい感じだね」という意思表示に過ぎない。その人にとっての1セントとあの人の20ドルは、違うようで同じなのだ。
そして地下鉄の演奏は色々なストーリーが生まれる。
ある時は、6歳ぐらいのヒップホップな感じの少年が、ポケットに手を突っ込みながら、いっちょまえに「ヘイ!お前ラッキーだぜ。ちょうどいくらか持ってるから、お前にやるよ。ちょっと待ってな。ほらよ!」と小銭をくれた。
ある時は、1本10ドルぐらいする高級野菜ジュースを4本もらったり、セッションが始まったり。この前は、レコーディングの話をもらって、録音してきた。この話は次回。
とまあいろんなことがあり楽しいです。僕のニューヨークは地下鉄だと言っても過言ではないかもしれません。まあこんな所でさようなら。次回まで僕のことを忘れないでください。では。
赤須翔
1987年9月28日長野県駒ヶ根市生。洗足学園音楽大学でギターを有田純弘先生に師事。卒業後、2011年夏にフィドラーの少路健介と完全実費飛び込みフランスツアー敢行。
2012年秋には、日本舞踊団 かぐや(現在 那由多)とギリシャのレフカダ島にて毎年行われるフォルクローレフェスティバルに出場。そして完全自主制作のCD制作。全国手売り中。
現在はレストランやバーにてライブ活動中。主に小田急線成城学園前駅近くのF.gohanというレストランにて、絶賛ライブ中。ニューオリンズ旅行をきっかけにバンジョーも始めました。
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