さて、今回はこれまでのまとめ回です。
これまで様々なアプローチノートを見てきました。ここまで読んでベースラインを作る練習をしてくださった皆さんはきっとベースラインが組めるようになっているはずです!!!
毎回の課題では主に1つのアプローチを使っていました。今回は今までのアプローチを全て使って贅沢な(!?)ラインを作っていきます。
模範例ではどのアプローチを使っているかを全て示しています。
表記の見方を説明します。
・ドミナントアプローチ:dom
・スケールワイズアプローチ:sc
・クロマチックアプローチ:ch
・ダブルクロマチックアプローチ:d.ch
・インダイレクトレソリューション
上下:u,l
アプローチの種類:sc,ch
例)上からスケール、下からクロマチックの場合:u/sc l/ch
スケールワイズアプローチ=クロマチックアプローチ?
今回は沢山アプローチノートが出てきますので、アプローチノートについて少し踏み込んだ補足をしたいと思います。
コードとスケールによっては見かけ上、スケールワイズアプローチ=クロマチックアプローチとなる場合があります。
この例の場合、Ebの音はA-7(b5)のコードトーンになっていて、スケールワイズアプローチと考えることができます。しかし、半音でD7に向かうクロマチックアプローチと考えることもできます。
この場合、Eb→Dの音の動きにEb7→D7という流れが感じられる場合はクロマチックアプローチとなります。Eb7→D7が感じられない場合はスケールワイズアプローチとなります。
つまり、演奏者がどのように感じるかによって、表記が変わるということです。
それでは模範例を見て行きましょう
例1
先ほどのchなのか、scなのかという例が上の譜面でも出てきます。8小節目を見てください。
先ほどと同様に、この場合もC-7のDの音がEbに解決していると感じられる場合はクロマチックアプローチ、単にコードトーンの感じがする場合はスケールワイズと解釈してください。
結局、どのように感じるかが一番重要なところなのです。
次の模範例です。こちらは長めの曲です。今回は長いので五線譜とタブ譜を分けています。
例2
[symple_toggle title=”タブ譜”]
さて、譜例の前半(1-4段目)と後半(5-8段目)を聴き比べてみてください。
後半は一番下の音域から徐々に上がっていき、9小節目あたりをピークに徐々に最初の音域に戻っていくように作っています。
後半の方がまとまって聞こえるような感じがしませんか? これはあらかじめ方向性を考えておいたためです。
ベースラインを作る際は、このようにどのような流れを作るかを意識しておきましょう。今後の講座では、その流れを応用することで一歩進んだベースラインを作る方法などを解説していきます。
今回からしっかりと流れを意識するようにしましょう。
前回の課題
今回の2つの例で自分でベースラインを作ってみましょう。作ってみた方はもし良ければ hajime.doublebass@gmail.com に送って下さい。次回以降紹介していきたいと思います。
次回は「アプローチノートを4拍目以外に使う」です。
レーベルサイト立ち上げました。
今後音楽等のコンテンツを配信していく予定です。
鈴木元(すずきはじめ)
洗足学園音楽大学ジャズコース入学を機にコントラバスを始める。 藤原清登氏、佐藤ハチ恭彦氏にコントラバスを師事。
大学入学時より演奏活動を開始し、様々な場で活動を行う。 大学ではビッグバンドなども経験し、第42回山野ビッグバンドコンテストで5位入賞。2011年Taipei International Jazz festivalをはじめ国内外のジャズフェスティバルにも出場。
洗足学園音楽大学で優秀演奏者賞を獲得し、同大学を首席で卒業。
Leave a Reply