【対談 その2】「音楽のマッチングと収益モデル」海保けんたろー × 金子将昭


今から一年以上前の2015/1/9の海保けんたろーさんと対談。なぜ一年も遅れて公開なのかはさておき、音楽業界の問題点はユーザーへの好みの音楽のマッチングとアーティストへの収益モデルの2点という海保さん。それはどのようなことなのでしょうか。(記事構成/原田和真)

 

「CDが売れない時代」

海保 時代の流れとして僕が思ってるのは、CDがそう簡単に売れない時代になってきて、今CDランキングとかでもアイドルとかが上位ばっかりになってるじゃないですか

金子 そうですね。

海保 あれって要は一人のファンに何枚もCDを買わせるみたいなビジネス方法をやっていたりしていて。音楽自体っていうよりはオマケだったりとか特典みたいなもので上手くビジネスやってる人達が上位に行ってるじゃないですか。

金子 本来のCDの……モノじゃないような……。

海保 曲を聴くって目的ではない感じで売ってランキングにってことですけど。

金子 そうですね。

海保 メジャーデビューして、大資本を投下して全国的にテレビでCMして、やるっていうのは……。音楽ってのは基本的に好みの差とかもあるじゃないですか。

金子 はいはいはい。

海保 そことかを加味して考えると、もう売上が回収できないんですよ。そこまでCDが売れない時代になっちゃってるんで。どんなに素晴らしいハードロックをやってもそもそもハードロックが嫌いって奴も……。

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金子 いますいます(笑)

海保 いるじゃないですか。だから、そうするとそもそも大資本投下して国民的に売るってのが成り立たなくなってきてるなって思ってて。

金子 そうですよね~。

海保 ただ、『この娘、超カワイイ』とか『この人達めっちゃイケメン』みたいなやつはそこまで割れないんですよ意見が。だからその人達だったら手堅く回収しやすい。

金子 あ、なるほどね。

海保 結局メジャーの論理に乗っかって、たくさんの人が関わって、たくさん宣伝力かけて、いっぱい金を回収しようぜっていうビジネスをミュージシャンって枠でやろうとすると、もはや好みが別れづらい「見た目」を売りに出来るような人たちじゃないと危なくて勝負できない。

金子 なるほどね(笑)

海保 っていう感じになってるなっていう風に思ってるんですよ。だから、逆に音楽に対してそんなに能動的にめっちゃ探してる人ってそんないないと思うんで僕。

金子 はい。

海保 大体の人がなんとなく生活の中で入ってくる音楽の中から『これは好き』『これは嫌い』ってなってるような。テレビだったり、街で流れてたりみたいな。

金子 そうですね、そうです。

海保 そうするとそこに出てくるのは、もう見た目売りにしたモノばっかりになってきちゃってるわけですよ。

金子 はい。

海保 そうすると。そういうのが好きな人達はまぁいいですけど、まぁそうじゃないハードロック好きな人とかは『最近の音楽クソばっかだな~』みたいな。

金子 まぁなっちゃいますよね(笑)

海保 ってなってるってのが僕の現状の音楽業界に対しての理解なんですよ。

金子 あ~なるほどね~。

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海保 ただ、実際はすげぇカッコいいハードロックとかも存在はしてるんですよね。

金子 しますよね!

海保 存在はしてるんですけど、凄い探さない限りは出会いがないっていう状態になっているんです。

金子 はい。

海保 で、”凄い探す”ってほど音楽好きな人ってそんないないので。それが悲しいアンマッチみたいのが起きてて、結局そのハードロックバンドはファンも増えないし、飯も食えないしってなってて。

金子 はい。 

海保 っていうのが今の良くない現状かなって思ってるんですよね。

「解決すべき問題点とは」

海保 ってなれば、逆に言うと解決しなきゃいけない課題ってのは結構明確で。僕はもう二点だけだと思ってるんですよ。

金子 はい。

海保 一点は、それぞれの好みにマッチした音楽をいかにその人の耳に入れるか

金子 あ~あるほど

海保 あなたの好みってこれだよねってのを、なんとなくの生活の中でそんなにガツガツ探さないでも、なんか耳に入ってくるっていう環境なりサービスなりメディアなりっていうのを作って、出会える方法を作る。

金子 なるほどなるほど!はい。

海保 もう一つは、CDを買わないっていう前提なんで。まぁほとんどの人は。

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金子 はい。

海保 こんなバンドいたんだカッコいいじゃんってなった時に、その人をどう導いていって、どこで稼いでミュージシャンの収入にするのかっていう収益モデル。

金子 うん。

海保 だからマッチングと収益モデル。この2個が出来上がればもう問題は解決すると思うんですよ。

金子 なるほどね~。へぇ~。

海保 そこをどうするか、その状態を確立していけるのかって事を、音楽っていうかビジネスに関わるを作る人達が作るべきポイントなんじゃないかなと。

金子 僕あの~前者の話に関しては全く同じ問題点持ってて。それで、僕は個人なんでどうしたらいいかな~と思って。まぁ手っ取り早いのはスマホアプリだなと思って。

海保 ふんふん。

金子 なんか、作られてますよね?

海保 はい、今作ってます。

金子 僕も1、2年前から作ってもらってて。

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海保 ほうほうほう。

金子 僕の場合はお金もないので、知り合いばぁ~っと探して、なんでもいいからまず作ってみて、みたいな感じで基盤作ってとりあえずアンドロイド版で配信みたいな

海保 ふ~ん!

金子 まぁ全然、まだ形になってないんですよ。とりあえず音楽が誰でもアップできて、それが配信されるみたいな感じのレベルなんで。

海保 はいはい。

金子 ようは音楽がいっぱいアップされないと使えないので、それがまだデザインとかがまだまだダメなんですけど。とりあえずそういうのは用意してて。

海保 う~ん!

金子 スマホアプリで、本当は自分の環境とかニーズに合わせて学習してって配信されるようにしたいんですけど。なんか知り合いの人そこまでできないらしくて(笑)

海保 アハハ(笑)うんうんうん。

金子 コンセプト的にはアプリを一回タップしたら自動でダウンロード始まって、楽曲が配信されるって感じで。権利とか面倒くさいんでオリジナルオンリーにはしてるんですけど今のところ。つい今月配信したばっかりでまだ全然使われてないんですけど。

海保 はい。

金子 まぁあの時思いついた事を実行しただけでもとりあえずよしとするかみたいな。こっからですね。

海保 いや、いいと思います。

 

海保けんたろー :Twitter 

金子将昭    :Twitter

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海保けんたろー
SONALIOドラマー / 株式会社ワールドスケープ代表取締役

1981年生まれ東京出身。高校入学とともにドラムを始め、22歳からプロとしての活動を開始。 「キマグレン」など数々のアーティストのサポートドラマーとしての活動の傍ら、2008年にはメジャーデビューを経験する。
しかし音楽業界の構造に疑問を感じため独立し、2011年に株式会社ワールドスケープを設立。音楽活動支援サービス・Frekul(フリクル) http://frekul.com/ を公開した。
現在はバンド「SONALIO」と会社経営を並行しつつ、ドラムを教えるYouTuberとしても活躍中。
Twitter http://twitter.com/kentaro_kaiho

 

kaneko

金子将昭 Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、劇団ブラックラックへ楽曲提供、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

 

haradakazuma
対談構成:原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団ブラックラック、劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
hashimoto_hiroshi
カメラマン:橋本浩史
 1990年千葉県生まれ。主にカメラマン、ライターとして活動している。他にも役者、脚本家、演出家としての演劇活動。デザイナーとしての活動にも力を入れている。 企業から個人問わず「やりたいこと」「面白そうなこと」があるところに首を突っ込んでいく内に現在のカタチに落ち着く。 ライブ取材の経験から動きのある撮影が得意。また演劇の経験からその人が輝くには?という視点からシャッターを切る事が多いのも特徴。
 

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