その3 エルパが演奏者に求めるもの【対談】金子将昭 × 島貫歩美(株式会社エルパ代表取締役)

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5回にわたってお送りする今回の対談。ゲストは音楽家派遣会社の株式会社エルパ代表取締役 島貫歩美 第2回目は社長になった意外な経緯とエルパ立ち上げについての話でした。第3回目はエルパが演奏家に求めていることの話。(記事構成/原田和真)

 

③~エルパが演奏者に求めるもの。どの世界でも同じ話~

島貫 うちとかは登録会とかがあって、本当に毎日のように来るんですけど、やっぱりなんですかね~こう~頼ろうという感じの…

金子 あ~そうですか~。

島貫 一概には言えないですけど。

金子 あー。心の弱いというか…

島貫 そうですね~。私必ず言うんですけど「一緒に作ってるので黙って待たないで下さいね」って。自分自身の活動とかもバンバン言ってもらっていいし、こっちからの投げかけにも一緒に作ってるって姿勢でぜひ建設的な意見下さいみたいな。

金子 あーなるほど。フリーなのに仕事がくるまで待つという姿勢ですね。仕事は作るものじゃないですか。

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島貫 そうですね。

金子 だから自分から提案していくくらいが良いですよね。なのにもらうつもり満々できても困るっていう事ですよね。

島貫 必ずうちのスタッフもその説明で言うのが「登録したら必ず仕事が行くということではありませんよ」ってことで、そういう話しはしてるんですけどやっぱり「登録したんですけど未だに何の連絡も来ません…」みたいな。

金子 あら(笑)

島貫 なのでうちもたくさん人数を抱えているから来る仕事もあれば、個々の良さで取れる仕事もあって。選考とかも本当うちのスタッフは真剣にやってるんですよ。

金子 はい。

島貫 実技も凄いありますし、面接でも短い時間ですけど色々聞きながら「この人はこういうの向いてるから」とか一生懸命考えてて。

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金子 僕、会社で一回オーディションしたことあるんですよ。

島貫 へぇ~。

金子 学生の子集めて、後輩をオーディションしたことあるんですけど、その時に凄く「あ、人選ぶのって難しい」とかってめっちゃ思いました(笑)

島貫 へぇ~(笑)

金子 ものすごい知りたいんですよね!選ぶ側の人は。でもなんか、「そんな事聞きたいんじゃないな~」みたいな。

島貫 そうですね。なのでうちも結構聞くポイントとか見るポイント、実技とかも点数制で項目もかなり決まってたりして。基本はまず今うちである仕事をベースに「この人は何が向いてるかな」ってのを見てはいるんですけど。まぁあとはそこからの可能性なんかもちょっと見たりしながら。

金子 どういう人材が逆に良いって思います?

島貫 そうですね~。これも必ず言ってることではあるんですけど”サービス業”と捉えてる人がうちは良いかな~って思ってます。うちの今の仕事では。

金子 はぁ〜はいはい。

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島貫 音楽だけを提供するってよりは全体的に、全てですね。音楽技術もそうですけど、見られてるので表情だったりとか、MCとかもありますし、特に女性だったらドレスとかそういう身だしなとか。中には挨拶とかも目を合わせてできない人も来るんですよ。

金子 あ、そうなんですか?

島貫 お客様に対しての音楽サービスを提供するみたいなそういう意識が必要かな~っていう気がしてますね。

金子 なんか「音楽を聴かせてお金になるんだったららいいなぁ」ぐらいの気持ちで来てるのかな~。

島貫 そう~ですね~なんというか…。その~うちも、例えばピアノだけで1000人以上いるわけですよ(笑)

金子 えー!(爆笑)

島貫 例えば(笑)

金子 なるほど(笑)

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島貫 で、その中からその人を選ぶ理由を見てるんですよこっちは。

金子 なるほどね~なるほど。

島貫 そこがどこなのか。みなさん持ち味は持ってると思うので、そういうの見てるんですけど。それが結局私達の中で埋もれてしまって、せっかく登録に来ていただいてるのに声が掛けられないってことになっちゃうので。

金子 そうですね。

島貫 それをとにかく見るようにしてます。

金子 基本的にはお客様にリストを渡して選んでもらうんですか?

島貫 ではないですね。

金子 じゃあこちらから提案して?「条件に合う、この人とこの人いるんですけど」みたいな。

島貫 え~と、色々ですね~。

金子 秘密だったら全然大丈夫ですので。

島貫 あ、いえいえ。あの~イベントみたいなものとかは先にミューシャンのプロフィールとかを出して決めていただくこともあるんですけど。

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金子 はい。

島貫 大体が「じゃあ弦楽四重奏で」とか「じゃあジャズトリオで」とかそういう感じで。

金子 あ~フォーマットで。

島貫 そこからうちが人選してます。

金子 なるほど。

島貫 そこで決まった人のプロフィールを後で出します。私達も今まで色々蓄積があるので、こういう感じだとこの人がいいとか。

金子 はいはいはい。例えば登録に来たらエルパっていう会社にどうやったらアピールできるかなって考えて「こんな人です!」とかって言うようなのが良いですよね、提案したりとか。

島貫 そうですね。

 

  <写真/橋本浩史> 

続きは明日更新!第4回目は「演奏家はなんとなくやれちゃってる?」というお話。

 


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金子将昭  Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒。

大学にギター科で入学後すぐ、経験無しのピアノ始め、二年次よりジャズピアノ科へ転専攻。サポート仕事と和風なジャズを演奏する自己の音楽活動と並行しながら、日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」編集長、(同) 前衛無言禅師 代表、東京音楽理論研究大学主催、劇団を作ろうプロジェクト主催、音楽アプリ「lepot」の開発、、フリーランス向けの確定申告サイト運営など多岐に渡る。現在、百人一首曲付けプロジェクトとジャズスタンダードをトーク・演奏で楽しむ動画をYOUTUBEチャンネルにて公開。百人一首曲付けプロジェクトで検索。

 

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島貫歩美 Fumi Shimanuki 
現在、株式会社エルパ代表取締役
埼玉県出身、4人姉妹の末っ子。幼少期は内気で人見知りが激しく、自己主張のできない子どもだった。2003年4月、株式会社キャブステーションに入社。仕事の面白さを知り、のめり込む。2008年1月より子会社である音楽家派遣サービスを行う㈱エルパの代表に就任。2009年7月、MBOによりキャブステーショングループより独立。楽家の活躍の場を広げること、またもっと身近に音楽が入り込む豊かな社会を目指して日々活動中。
 
 
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対談構成担当 原田和真(はらだかずま)
脚本家。1988年生まれ。北海道出身。大学から山形へ移住、お笑いや演劇の活動を始める。漫才、コント、演劇、アクション、音楽とのコラボ、ラジオドラマなど様々に挑戦し、手段を問わず”エンターテイメント”を追求する。2014年4月に活動を東京へ移す。
 
現在の欲望:映画の脚本をやりたい。マジシャンの仲間が欲しい事。
現在の所属:劇団あーてぃすとら、ラフィクション(お笑いユニット)
 
 

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