ジャズを演奏する構成にはピアノトリオという基本がある。
ピアノとベースとドラム。
このトリオにほかの楽器やボーカルが加わるのも一般的な形式。
今日のフォーマットは、ちょっと変則。
この編成は繊細でやさしい雰囲気が生まれてくる。
ボーカルや楽器の息づかいが伝わってくる編成。
ファースト1曲目は、「L-O-V-E」
ピアノのイントロからテーマ。ボーカルの中音の魅力が生きている。
スキャットからかわいらしいピアノソロ、良く歌うベースソロ。
少しフラットに聞こえるボーカルが独特な世界をつくっている。
2曲目「September In The Rain」
ボーカルとピアノで始まりベースが入ってくる。
スィンギーな曲。楽しい散歩をしているようなベースソロ。
ボーカルの余韻がどこか寂しげにきこえる。
3曲目は、「Gentle Rain」2曲続けて雨の歌。
「メンバーの誰も寂しいわけではないけれど」寂しい曲を演奏するということ。
ピアノ+ベースのイントロ。
低い声から始まるボーカル。
声質が悲しい曲にマッチしている。しっとりとした切ないピアノソロ。
4曲目は、日本語を大事にした曲が素敵だという武満徹の曲。作詞は谷川俊太郎。
「うたうだけ」
ピアノのイントロ。楽しく変わった感じの曲。ピアノのソロもちょっと
外したように演奏される。
5曲目はオリジナルで「道」
どこか素朴な感じのする曲。ちょっと切なく、でもカラリとかわいてる。
ピアノのイントロから始まり途中スキャットが入る。
ファースト最後の6曲目「It’s Only a Paper Moon」
ベースのイントロ。ウォーキングしてボーカルのテーマが乗る。
スウィンギーなピアノソロ。メロディアスなベースソロ。クールな印象のボーカル。
楽しい楽曲との組み合わせが面白い。
ジャズを聴くところにはいくつかのタイプがある。
東京倶楽部はBarタイプのお店。ライブ前や後はBarとして営業する。
水道橋や目黒にもある。千駄ヶ谷にもあるのだけれどそこはまだ行ったことがない。
3ステージに分かれて演奏される。
セカンド最初の7曲目「All or Nothing at All」
ウォーキングベースに男っぽいボーカル。ピアノが加わる。
情感のあるピアノソロ。テーマに戻ったあともピアノの音数の多いバッキングが続いていく。
8曲目は今日3曲目の”雨”「Here’s That Rainy Day」
静かに語るようなボーカル+ピアノ。ベースが入っていく。
穏やかなピアノソロ。
「暗い曲が好きかも」と形岡。
9曲目は今日2曲目の武満徹。「小さな空」
ほのぼのとした田舎の情景が浮かぶ。
ピアノ+ボーカルにアルコが加わる。
アルコソロ、ピアノソロと続く。
10曲目はオリジナル。子育ての日常を歌った曲だという。「空を見上げて」
なんだろうこの感じ。さりげなくてなんかちょっと悲しい。
ピアノの気持ちいいソロ。
11曲目もオリジナル。子供を生んだ時に作ったという曲。「毎日の中で」
いとおしさが伝わってくる。
何気ない日常に感謝しているようだ。
ピアノとベースが優しく寄り添っている。
セカンドラストの12曲目。「On The Sunny Side Of The Street」
ボーカル+ピアノでスタート。
楽しい曲もどこか陰があるような印象。
声量豊かにスキャット。元気のいいピアノソロ。ほがらかなベースソロが続く。
ミュージシャンにも日常がある。
母親にだって当然なる。
そういったことが曲になってそして演奏出来ることはとても素敵なことだと思う。
サードステージの最初は、13曲目。「My One And Only Love」
軽快に始まる。
それでもどこか物悲しげな雰囲気が漂うのがおもしろい。
慎ましやかなピアノソロ。
14曲目。「カントリーロード」日本語の歌詞。
風立ちぬからマーニーへとジブリ熱のボルテージが更に上がっているという。
どこまで続く砂埃のある道を連想。少年が歌っているように感じる。
ジブリ美術館はそんな広くないのに何度行っても飽きないという。
15曲目。「That’s All」
ダイナミックなテーマ。
軽やかなピアノソロが聴ける。
16曲目。オリジナル。「僕は…」
静かな印象深い曲。
原爆のことをうたってる。
原爆で亡くなった少年の思いが蘇ってくる。
17曲目は、ボーカルとベースのDuo。「Moon River」
粋なベースソロが印象的な曲。
最後の18曲目。武満徹の3曲目。「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」
ピアノ+ボーカルでゆったりと始まる。
ベースが加わってスウィンギーに展開。
キュートなピアノソロ。ピアノの響きがあったかい。
愉快な感じのするベースソロ。
そしてどこか悲しさが漂うボーカル。
ボーカルにとって声の印象はとても大事だ。
悲しげでボーイッシュでもありクールな印象もある。
独特の世界がある形岡のボーカル。
ピアノ、ベースとのトリオ形式でよりいっそう強く印象が残った。
Leave a Reply