今、ビブラフォンの音色を思い浮かべることが出来ますか。
思い描けなかった人は、山本玲子が足りていません。
すみやかに山本玲子を補充しましょう。
11日に草加シュガーヒルで行われたビブラフォン山本玲子とピアノ瀬田創太のデュオ。
ゲストに3曲、ヴォーカル土屋絢子も加わって静かで熱かったライブのレポートです。
1曲目。雨音と共に(山本玲子)
ピアノのイントロからただならぬ今日のライブを予感させてくれる。
序々に盛上がってビブラフォンのソロへと続く。音が響いてやさしい雰囲気に包まれていく。
2曲目はAll The Things You Are.
ビブラフォンのソロメロディから始まる。
ピアノが入ってそれぞれがそれぞれのソロを。音符が飛び跳ねているようだ。
ペースが落ちてピアノソロ。少しずつ音数が増えていってビブラフォンが絡んでいく。
遊んでいるようなフレーズが次から次へと繋がる。
3曲目。”遺作”ペリコ(瀬田創太)
通っていた美容院で浮かんだという曲。今は違うところに行っているので遺作ということらしい。
コミカルで楽しい曲。演奏もとっても楽しい。
4曲目。ヴォーカルが加わる。Stars(フレッドハーシュ)
透き通ったヴォーカルとピアノとビブラフォンが共鳴している。ピアノの美しいソロ。
この曲はこのフォーマットに合っている。
5曲目はファースト最後の曲。Ordinary Day(山本玲子)
5日間もインフルエンザで寝込んだ後に書いた曲とのこと。普通であることのありがたさを
感じて書いたのだと云う。
Happyな曲。お互いの安定したリズムがより自由なアドリブを導きだしている。
シュガーヒルは、草加にあるライブハウス。薄めのグラスに入った生ビールが今日も美味しい。
ライブハウスでは、どのタイミングで飲み物を頼むかが私には重要だったりする。
ちょっと早めに来て一杯。ファースト直前に1杯。セカンドの前に一杯。終わって1杯が理想なのです。
さて6曲目。セカンドはスタンダードから。Alice in Wonderland。
ピアノの良く歌うソロ。おもちゃ箱をひっくり返したような演奏。思わず体が動く。
7曲目。まだ曲名の決まっていないバラード(山本玲子)
秋にぴったりな憂いを帯びた曲。
情感たっぷりなピアノにやさしくあったかいビブラフォン。美しい。
8曲目。ヴオーカル再登場。Song of Life(再びフレッドハーシュ)
明るく爽やかな感じの曲。スピード感のあるピアノとビブラフォンソロ。
9曲目。続いてもヴォーカル曲。さくらのうた(土屋絢子詩、山本玲子曲)
震災の春に書かれたという曲。
日本語の歌詞に深く心を揺さぶられる。
10曲目はOne Way(山本玲子)
一方通行の多い吉祥寺で思いついた、前に進むしかないという意味だという。
ビブラフォンのアグレッシブなソロ。右手一本で遊びだすピアノ、ビブラフォンが
じゃれ合うように加わる。
アンコールは、One Note Samba。
会話するように紡がれるフレーズ。またまた楽しい演奏。からだを揺さぶられずにはいられない。
シュガーヒルの夜は美しく響きあうビブラフォンとピアノ、ゲストヴォーカルも楽しめて良かったなあ。
jazz santa.
プロフィール:
若いミュージシャンの演奏を聴きにライブハウスに時たま出没しております。
せっかく聴いた素晴らしい演奏の数々。
そのままじゃもったいないから、レポートを書きたくなったのです。
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