ジャズピアニストの金子将昭が役にもやっとした音楽知識をちょっと調べるこのコラム。
第一回目は「多い?少ない?音楽で使う音は120個!?」
人間が聞き取れる音の範囲は20Hz~20000Hzと言われています。実際に聞いてみましょう。
15hz-22050hzの周波数テスト動画(音量に注意して聞いてください。)
どのあたりまで聞こえたでしょうか?僕は17000Hzまでは聞こえるんですが、20000Hzは聞こえません(笑)。
ましてや22050Hzは無理です。
ちなみに規格上CDには22050Hzまで記録はできるようですが・・・。
聞こえる人いるのでしょうかね(?)人間が聞こえると言われているこの周波数範囲をピアノの音域で表すと鍵盤が足りません。。
左側は鍵盤5個プラスする。(完全四度下のミ)
右側は鍵盤27個プラスする。(2オクターブ+短三度上ミb)
『人間の可聴領域を楽譜にしてみた。Hzはおおよその値です』
僕の使った譜面ソフトでは19512Hzに相当する音までの加線がなかった・・・なので8vaで対応。
それでこの範囲の音をピアノの鍵盤上で全部数える(5+88+27)と120個!!
だけど、ギターだったら1/4音も出せるし、他の楽器でもピアノでは出せない音程も出せるし、シンセのピッチベンドでギュイーンってやったりとか、打楽器とか音程にならないのがいい味だしたりするので、そういうのが入ると何個って言えなくなるのですが・・.
ちなみにモーツァルトの有名なピアノソナタK.545は使っている音は49個。
一楽章で使っている音が赤、二楽章で新たに追加された音が緑、三楽章で追加された音が青です。
ショパンの有名なノクターンのE flat-major Op.9-2は58個。
そういえばショパンの方が時代が新しいから音域が広いピアノを使ってますよね・・。(——;)
もちろん音の数が多いものが素晴らしい音楽ってわけではないですし、組み合わせや使い方によって様々な音楽が作られるので、何個音を使うかではなく音をどう使うかというところが重要ですよね。
さて、音の世界は120個。120個が多いか少ないか・・・。
Deutsche Grammophon (2011-12-20)
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金子将昭 Masaaki Kaneko
1982年富山県生。ジャズピアニスト。合同会社前衛無言禅師代表社員。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒業。
大学時にギター専攻で入学したが2年次よりピアノ科へ転専攻し19歳よりピアノを始める。
堂本光一、大橋卓弥(スキマスイッチ)、imalu、ジョナサン・カッツ、類家心平、マークトゥリアン、フレッドシモンズとのセッションライブやバンドサポート、ミュージカルなどでピアノを担当。
ミュージシャンによる音楽理論研究会『東京音楽理論研究大学』を主催。
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