【対談 その4】「コードを見て演奏する度に自分の演奏が変わる」生島佳明(ジャズギタリスト)2

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生島佳明「コードを見て演奏する度に自分の演奏が変わる。それがコードの持つ一番の良い部分だよね」

 

前回までの対談はこちら!!

【対談】金子将昭×生島佳明(3)

【対談】金子将昭×生島佳明(2)

【対談】金子将昭×生島佳明(1)

 

 

金子 ヒトの生み出した物で言葉ってすごい財産だと思うんです。チンパンジーは道具の使い方を教えれば習得するけど、言葉で相手に意思を伝達することは教えてもどうしてもできないんですよね。人間とチンパンジーの違いは「言語による伝達能力」っていう脳科学者もいたりますよね。それはある意味人間ならではのもの、それで伝えたものも人間ならではの音楽なんじゃないかとも思うんですが、それはについてどう思いますか?

 

生島 本来は言葉なんて必要ない。音と音、気持ちがぶつかってできるのが音楽だしね。

 

金子 ばっさり切り落とされました(笑)。確かに音で主張してくる人は確かにいますからね。「今好きじゃないんだろうな」っていうのとかも感じますしね。

 

生島 そういうのは全然OK。それぞれがやりたいように、お互いの思いがぶつかるのがジャズだと思うから。

 

金子 それぞれの思いこそが音楽になるって事ですね。そうなるとコードシンボルは足枷ではなく、自分の思いを音にする可能性を示唆するものであるっていえますね。

 

生島 結局、本来は自由なのに自由じゃなくしているのは自分自身なんだよね。

 

金子 コードが悪いのではなくて「コードシンボルに対する解釈の仕方」が制限を作ってしまっているって事ですね。本来はコードによって可能性を示唆されているのにそれしかできないと思い込むことが足かせだと。

 

生島 耳を鍛えるのも大事だしね。

 

金子 音楽理論を学んだらソルフェージュもセットですね。

 

生島 うん。腹筋したら背筋もトレーニングするからね(笑)

金子 音楽理論の話を筋トレと例えるか(笑)。おっと、また話が逸れる(笑)。えっと、ソムリエは味を言葉で表したりしますよね。成分や製法なんかも知っている。そしてワインの味を言葉で表す。コードを使う人も、それがどんな理論が使えるかはわかってて、その上で聞いた時に音がどのように響くかって事こそ言葉にできるべきですよね。

 

生島 そうだね。僕もその通りだと思うよ。

 

金子 例えばG7を聞くと田舎の畑を耕してる風景が思い浮かぶと、だから田舎っぽい田園風景の曲を作るときはG7で初めてみるとか。これはその人の経験や感性からくるものなので、正解はないし、その正解がないものがやはり一個人の音楽家の表現ですよね。僕は(#11)を聞くと氷をイメージしちゃいますしね。(#11)って氷点下で寒いんですよ。そういった感性ってありますよね。

 

生島 氷・・。共感はともかく(笑)、そういう感性を持つって大事だね。美術館とか行ってもまず説明を読むとかは好きじゃないしね。

 

金子 まずは自分の感性でその絵を味わってみようという事ですよね。僕も基本、説明飛ばしますがそんな高尚な理由はないかもです・・・(笑)

 

生島 でもそれはすごく良い事だと思うね。そこにヒントは沢山あるしね。アーティストも絵から影響受けたりして作ったりしてる人はいるし、それは表現の仕方を知ってるって事だよね。

 

 金子 他のジャンルから影響を受けてそれを音楽で表現できるって事が、即興演奏をする人や曲を作る人の一番良いところなのかもしれないですね。プログラミングが得意な人がアルゴリズムで作曲したり、数学が得意な人が数式で音楽を作ってみたりっていう表現方法がやはりそれがそのジャンルの表現なのかもしれないですよね。

 

生島 コードはそれらを作る過程で自分を思わぬところまで連れて行ってくれたりするからね。コードを見て演奏する度に自分の演奏が変わる。それがコードの持つ一番の良い部分だよね。

 

金子 即興演奏家や作曲家は音楽以外で見たり聞いたりした物を音で表現することに特化した人達ですよね。コードを使った場合、それらが演奏者の感性でどんどん変化していったり、その感性を受けていつも見ていたコードシンボルで弾いているのに自分でも知らないところまで連れて行ってくれたりするものなんですよね。

 

生島 そうなんだよね。コードで縛られるのは自分の解釈の仕方せいなんだよね。コードを使って他のメンバーの感性にインスパイアされて自分でも思いつかないところまで行った演奏が、聞いてる人にもイメージできる、共感できるような演奏を目指すのが僕ら即興演奏家や作曲家の目標の一つだと思うよね。

 

 

前回までの対談はこちら!!

【対談】金子将昭×生島佳明(3)

【対談】金子将昭×生島佳明(2)

【対談】金子将昭×生島佳明(1)

 

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 金子将昭  Masaaki Kaneko http://www.masaaki-kaneko.com/

1982年富山県生。ジャズピアニスト。合同会社前衛無言禅師代表社員。洗足学園音楽大学音楽学部ジャズ科ピアノ専攻卒業。大学時にギター専攻で入学したが2年次よりピアノ科へ転専攻し19歳よりピアノを始める。

堂本光一、大橋卓弥(スキマスイッチ)、imalu、ジョナサン・カッツ、類家心平、マークトゥリアン、フレッドシモンズとのセッションライブやバンドサポート、ミュージカルなどでピアノを担当。

ミュージシャンによる音楽理論研究会『東京音楽理論研究大学』を主催。

 

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生島佳明  Yoshiaki Ojima

ロックをきっかけに音楽に興味を持ち、後にジャズを中心に演奏するようになる。
ギターを岩谷耕資郎氏に師事。
以後様々なミュージシャンとライブやセッションを重ね、2013年単身渡米。
現在は主に都内近郊で活躍中。

 

 

 

 

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